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議論のウソ

小笠原喜康
講談社現代新書: 720円
お勧め指数: □□□■■ (3)

 議論というよりも「論理」の本。いわゆる「だまされるな」という主張の本。本書で扱っている内容は具体的なので、倫理・哲学コーナーにある本とは違い理解しやすい。ただし、記述が簡単だというわけではなく、それなりにしっかり(ある意味めんどうに)書いてある。

 電車の車内アナウンスで「携帯電話はうんぬん」というのを聞いたことがあるだろう。守っている人を見たことがない。実際問題、技術的には関係のない無意味なこと客にリスク転化しているだけのことなのだが、とはいえ、未だに人におしつけてくるのが腹立たしい。その問題にある背景、現状についてこの本で解説してある。あるいは、少し前評判になった「ゲーム脳」というお馬鹿な理論についても、論理的にたたいてくれている。ありがたい本である。

 ゆとり教育の弊害についてもこの本で触れられているけれど、上記の2台については「普通の人が勘違いする・だまされる」のは仕方ないような気がする。一人一人にウソを見抜ける論理教育が行き渡っていないことを嘆くのはなく、その状態をちゃんと把握し、批判できるマスコミが機能していないことが問題なのに、という感想を私はもった。もちろん、自分自身で、おかしいところを検知し、防御していくための勉強は大切。それを論述する議論も必要だけど、実際問題としては、この本の著者のような人が、もっとパブリックな媒体をつかって、論理戦を行ってほしいなぁと思う。

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