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2006年8月31日

蒲公英草紙

恩田陸
集英社 1400円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 ストーリーテラー。語り部。意味は知っていてもピンとこなかった言葉である。それは恩田さんのような人のことだろう。この本。なんとも言えない気分、哀しさと想像と馬鹿馬鹿しさと怒りと。大笑いしているとき以外の感情が、この本の主人公とである語り部の言葉だけで感じることができる。どうして、そんなことになるのだろう。小説って、スゴイね。
 この本は「光の帝国」のテーマの延長線上にある。舞台は現代ではない。明治期の話。ただ、それは必然ではないかもしれない。恩田さんの作品には「戦争なんてやめておけ」という訴えがサブテーマであるようで、それを示すために明治中期あたりを設定しているのかもしれない。考えてみれば、この時代に生まれた人は損。戦争ばかりの時代だった。もっとも、現代でも人間関係の地獄から抜け出れない人もたくさんいるということはニュースを見ていればわかる。どっちがいいのかは何とも言えない。

 人が生きていることを「自覚」するには、言葉が必要だろう。言葉は「順序」を必要とする。つまり、時間が流れる必要がある。記憶も必要とする。そして、クオリアが一緒に存在する。これらを同時に考えれば、生きていることを自覚することである。ならば、言葉を聞くことで「他人を体験できる」のかもしれない。状況にもよるだろうけど。
 映像ではない、音楽でもない、暑さでも、寒さでもない。それらが体に影響するものを総合すると、要するに言葉になり、物語になる。言葉なしに自覚は生じない。この本の中にでてくる『しまう』は、情報を記憶することではなく、この言葉の機能の本質を記録することをさしているのであろうと勝手に想像する。なるほど「初めにことばがあった」という名文句は2000年を耐えたが、それは当たっているからだろう。もっとも、自覚する意識が存在するときが世界の始まりならば、という条件付きであるが。

 物語とは? なんとなく、人生の疑似体験ツールなのかもしれない。そんな想像をした。

2006年8月30日

光の帝国

恩田陸
集英社文庫 495円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 言ってみれば超能力もの。でも、超能力のメカニズムにもそれをつかっての行動にも焦点があっていない。一種の価値観の比喩としてつかっているのかな、とも想像する。まぁ、小説なんぞほとんど読んだことがないがゆえに、いろいろ自由にしかも無責任に想像できるし、それをこうしてメモしている程度の想像でしかないけど。
 読んでいてい感じるのは、この著者は女性だなぁと。子供の書き方も女性の視点からのものだと感じる。どこが、と言われても困るのだけど。まぁ、「わかるんだ。自分でもなぜだかわからない」とかなんとか、常野の人のようなこといったりして。
 さて、肝心の物語。嫌な(哀しい意味で)の話、クリスマスキャロルみたいな感じの話、幻魔大戦?(いや、実はよくしらないのでイメージです)のような話を、恩田さんのマジックで形にした、不思議な本です。「読んでいて」楽しい。読み終わって、「読んだことを何かにいかす」というものではない。ジュースを飲んでいるときのような感じを得られる本です。要するに、「クオリア」そのもを味わうことが目的の小説です。
 そういう本、これまでほとんど読んでこんなかったので、新しいことを体験しているようで楽しいですね。何かのための読書ではない読書。

夜のピクニック

恩田陸
新潮社 1600円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 小説はあまり読みません。とくに、学園モノはパス。いつまでも過去に浸っているようで。あるいは、世界が学校しかないと思っているようで。そう理解したので、そもそも読もうとおも思っていませんでした。しかし、「文学賞メッタ切り」を読んでいるうちに、これだけ評価が良いものは読んでみてもそんはないだろう。この評者は信頼できるし。そうおもって読んでみました。
 世の中にはスゴイ小説はあるものですね。30代後半の私でも高校生の頃の気持ちで読めてしまいました。また、この世界にちょっと憧れるような気持ちが残っているものだなぁと我ながらびっくりしました。年を取るのは体からですね。体が元気なうちは、過去も現在も精神は自由に行き来できるようです。

 「ずーっと読んでいたい」そう思います。恋愛小説ではないです。これがまた面白い。「蹴りたい背中」のような感じです。「若けなぁ。」 そう思う箇所はありませんでした。むしろ、「そうそう」というほうが多かった。
 この小説はミステリーではないし、本筋を紹介することとは全く関係ない、著者のもつ恋愛観のようなものに興味を持ちました。「なるほどなぁ」と感心しましたので引用してみます。

”好きという感情には、答えがない。何が解決策なのか、誰も教えてくれないし、自分でもなかなか見つけられない。自分の中で後生大事に抱えてうろうろするしかないのだ。 
 好きという気持ちには、どうやって区切りをつければいいのだろう。どんな状態になれば成功したと言えるのか。どうすれば満足できるのか。告白したって、デートしたって、妊娠したって、どうれも正解には思えない。だとすれば、下手に行動を起こして後悔するより、自分の中だけで大事に持っているほうがよっぽどいい。(P208)”

 ふーむ。そんなことを高校生のころから考えているのですね、女の人は。すごいです。この小説で「ちょっとなぁ」と思ったことがあるとすれば、男子生徒の考え方です。私も(一応)進学校の高校に通っていましたが、こんな「大人」に考えるひとはおそらくいなかったでしょう。一人二人はいたかもしれないけど、例外だろうなぁ。そこが、また、女性の考える「理想的な普通の男子高校生」という気もしなくはないですね。

 1600円で、こんな素晴らしい気持ちを獲得できるのですね。ちょっと驚きました。

2006年8月28日

文学賞メッタ斬り!リターンズ

大森望・豊崎由美
パルコ 1680円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 この二人の評論、なるほどなぁといつも感心させてもらい、本を買うときの参考にさせてもらっている。小説ってのが、「プロの技」ということを評論を通して教えてもらっているのである。こうして読書メモを付けることが馬鹿くさくなるくらい、評論している人は読み取っており、そして、文学にはあまりおつきあいをして来なかった私は読めていない。そういうことがこの本を読むと身にしみる。芥川賞も直木賞も、その選考員の発言をかんがみれば、受賞本が「よい本」だとは限らないことがよくわかる。もっとも、この本を読んんで買った本は一冊だから、私は小説好きではないのだろう。

 お二人には是非とも、定期的にこういう本を出版して読者層を啓蒙してほしい。本を読むには時間もおカネもかかるので、どうせならば「よいもの」を読んだほうがよい。つまんないもので人生を潰したもったいない。ある年齢に達すると時間がなにより大切なので、読書のためのフィルターがなによりも貴重なのだから。

2006年8月25日

タイムスリップ森鴎外

鯨統一郎
講談社ノベルズ 819円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 タイムスリップスリップシリーズの一作目。タイトルからははちゃめちゃなものを期待してしまうが、読んでみるとそうおかしくはないような気もする。ミステリーはほとんど読まないからミステリー好きの人の反応はわからない。
 そのそも、この本のテーマである森鴎外の経歴はどうなっているのだろうか?と本書を読みながらいちいち確認したくなる。ラストがすこし息切れしている感もなくはないが、これが一連の「タイムスリップ」シリーズの発端としては十分楽しめる面白さではある。文学好きではなくても、ちょっと森鴎外の作品を読んでみたくなる。そんな小説である。

2006年8月23日

自分を変える鍵はどこにあるのか

川上真史
ダイヤモンド社 1500円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 心理学をバックボーンに書かれた本。「元気出せ」や「精神論」でしかものを言わない啓蒙書ではない。本文中の例文は「そういう状況、体験したことがあります。」と言いそうになり、「そういう感情の動き、よくあります」と頷いてしまうものばかり。実は占いなんじゃなの、という一般向けの心理学を適用したと称するものとはかなり違います。

 ともすればダークサイドに落ちそうな自分の言動が多くなり、楽しいはずの仕事も今一つ。むしろ、腹が立つことが多くなってきました。なぜだろう。何気に購入した本なのですが、それら疑問に対する回答はすべてこの本に出そろっていました。気持ちの「動力学」のような心理学は、自分自身を他人として見るための素晴らしい道具です。自分をどう思っているのか、他人をどう思っているのか、感情的に他人を評価する癖をどうすれば対処できるのか。これらの知識が納得できましたし、実線できそうな方法も紹介されています。まずは、始めてることですね。いえ、よくよく考えると、大したことではない。だから、できそうな気がします。
 この著者の本があれば、また読んでみよう。

2006年8月22日

シリコンバレー精神

梅田望夫
ちくま文庫 640円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 シリコンバレーで働くうちに自分が変わっていくことに気がついた。その変化を手紙という形で日本の雑誌に連載していた著者のエッセイ集。内容は技術というより、シリコンバレーの内側の雰囲気をそこで働く人との接触によって描いたものである。何より、日本語が読みやすい。
 著者はコンサルタントとしてシリコンバレーで働くうちにその町がたまらなく好きになり、現地で会社を興した。ネットバブルとよばれた2000年前後を現地で働くことで体験しているので、金融の数値やニュースなどを総合した「外側」からの観察ではない。その情報はネット関係者ではない私にはどうでもいいことに近いのだが、社会が変化していくなかで自分を見つめる著者の姿勢に憧れるものはある。

"相手は「お前は何をやっているのか」「お前のアイディアはなんだ」「お前の価値はなんだ」「お前は今まで何をしてきて、これから何をするのか」、先を急ぐように、私という「個人」を引っ張り出そうとするからであった。”

 会社に所属する一人としての自分の役割を求めようする私には、ちょっとひるむ環境である。また、本書の中に、ゴードンという人の会話のなかに、はっと気付かされるシーンがある。

”「これで会社を辞めて一人でやっていく権利ができたよ」と何気なく彼に話した。その時、ゴードンの表情が大きく変わった。」「そうだんだ。何でも何でも、すべては個人の中から生まれるんだ。会社からじゃないんだ。価値を生み出すのは会社ではなく個人なんだ。日本人でそういうモノの考え方をするヤツに初めて会ったよ。」彼は急にまくし立てるように話した。”

 人が集まって価値をつくる事が「大切」なものだという考え方をしてきた。もちろん、その通りではあるのだが、それは組織の傘の下にいないときをさすのであって、組織の中で団子になって生きていくことはないのだ。集まってするからこそ「お前は何ができるのか?」が大切になるのだ。決して「比較により自分のポジションを確認する」ことが目的ではないのだ。
 もちろん、この生き方はユニバーサルなのかどうかはわからない。シリコンバレーでは大切だということだ。日本においてどこまで意味があるのか、ケースバイケースとしか言い様がない。とはいえ、あなたはどうしますか? そういうメッセージであるようにも、私には思える。


2006年8月20日

本の読み方

平野啓一郎
PHP新書 720円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 本の読み方など教わったことがない。文字の読み方、文章読解の授業は受けているが、何に注意して読めばいいのかなど「我流で良い」という結論か、「正解に達するための注目ポイントは?」のような技しかない。いや、忘れているだけかもしれないが、今に至まで「受けた」といえないのだから、「なかった」といってよいだろう。

 この本で主張されているのは「なにも、焦って読むな。冊数を増やしたところで、無駄だぜ」ということである。「何冊読んだのかを自慢するのは、何都市巡ってきたのかという旅行自慢と同じである」という比喩にはどきりとされれた。自分で企画する旅行は一都市滞在にこだわっているのだが、本は「何冊読んだ」ということをTVゲームのハイスコア争いのように考えている自分に気がついてしまった。なんたること。しかも、多読によって得た知識は「脂肪」であると。言われてみれば、トリビア的なものは脂肪のような気もする。

 そもそも、冊数を増やそうとしたのは「質は量からしか転化しない」という仮説を採用したからである。子供の頃は本を読まなかったので、それを取り換えそうと本を読んでいる。一種のトラウマなのである。だから、冊数を稼ぐとこで精神的なバランスをとろうとした。この本に指摘されている「速読」に目がいったのも冊数を稼ぐためである。考えてみれば、フォトリーディングなんて「あり得ない」のだが、なんで「あるかもしれない」と私は考えたちゃったのだろうか。反省しきりである。

2006年8月18日

YouTube 動画共有サイト完全攻略ガイド

アスキームック 990円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 YouTubeにアカウントをつくってみたい。だけど、英語サイトだし登録のときに何か勘違いして失敗するのは嫌だ。そういう人向けのガイドブック。値段も手ごろだから「ネットで解説ページを探す手間を省く」ために購入してもいいかな。そう思って購入してみた。

 内容は想像していたとおりである。登録手続やページ構成について日本語での注釈がでている。私は保険として買った。ざっと全部に目を通しても大した時間がかからない。また、YouTubeの画像をファイルとして保存する方法や再生方法について書かれていた。これらはgoogleで探すばでてくるとおもうけど、まぁ、「アスキー」の本だし信用置けるだろうし、効率もよい方法なのだろうということで、安直に知識を仕入れられる。そんな人には向いているかな。ただし、英語が普通に読めるか、ネットワークで検索することをおっくうに思わない人であれば、この本を購入する必要はないでしょう。

2006年8月12日

邪馬台国はどこですか?

鯨統一郎
創元推理文庫 660円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 面白いなぁ。この本を読むのはもう3度目です。3年くらい前、何気なく買ったらはまりました。鯨さんのデビュー作ということです。とくなく、視点が面白い。本当に歴史の真実を好きで探りたい。そう思うのならば、「おれが偉い」という主張をすることが真の目的である学者なんかになってはいけない。そう思いますね。塩野七生さんや井沢元彦さんが好きな方はこの本をすんなり読んでくれると思います。一方、専門が歴史学だったりすと、全く面白くないでしょう。

 既成観念とか先入観とか、そういったものが思考を支配することはよくしられています。資料をどう読むのか。それ一つとっても、読んだ結果は違ってきます。「日本書紀」に書かれているとするのか、「日本書紀」にしか書かれていないとするのか。その状況への態度によって、いろいろな結論がでてくるものです。ミステリーなので本の内容を詳しく書けないのが残念です。

鬼のすべて

鯨統一郎
文芸春秋 1381円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 これが鯨さんの目指すミステリー小説の方向なのかと思います。話の根底には、歴史学・民族学的なある仮説があり、それがだんだん浮き上がってくるように事件が起こり、犯人の仮説がつくられ、真犯人がでてくる。

 この小説の命題は「鬼」です。鬼とは何か。その問題をめぐってミステリーが組み立てられています。途中ででてくる事件や犯人候補はすべて「鬼」の仮説とリンクしている。そして、ラストは真犯人と鬼をめぐる解釈がだぶって表現される。ミステリー小説の面白さと、鯨さんの「歴史学・民族学における仮説」とが渾然一体となって読者に提示される。感動てきです。

 この人の作品は、もう少し読んでたいです。そう思わせる小説です。

すべての美人は名探偵である

鯨統一郎
光文社カッパNOVELS 867円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 「邪馬台国はどこですか?」「新・世界の七不思議」に登場する静香とという美人歴史学者を主役に据えたミステリーです。徳川家の歴史記述を大きくかえる可能性がある謎をめぐって、殺人事件が起きたり、資料を探したりという、ちょっとTVで放送しそうな内容です。読んでいると単に楽しいだけですが、話の根底にある「関東に伝わる子供の歌」と「徳川家の秘密」との関係にある仮説には興味を抱きます。もうちょっと、別の形で表現してくれてもよかったかなと思いますが。

とんち探偵一休さん 謎解き道中

鯨統一郎
詳伝社NON NOVEL 819円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 昔アニメで「一休さん」というのがありました。さよちゃんと新右衛門さんが登場するやつです。一休さんも小坊主です。この小説はそのキャラ設定を引きついでいます。一休さんの言葉遣いだけより方言を強くしていますが。

 鯨さんの小説は新しい歴史解釈を小説の形で表現するものが多いです。それが面白い。でも、この小説は、どちらかといえば「とんち」に主眼があるようです。「では、トラを屏風から出してください」という有名なシーンがアニメ一休さんさんにはありますが、そういった「とんち」が書きたくてこの小説を書いたのではないか。そんな気がします。知的な感じよりも、娯楽な感じたっぷりの小説です。

いろは歌に暗号

鯨統一郎
詳伝社NON NOVEL 819円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 空海がでてきて、いろは歌の暗号を語るミステリー小説。鯨さんは司馬遼太郎の大ファンだそうで、「空海の風景」にでてくるキャラを親しみやすくしたような、そんな感じのものになっているようです。もっとも、歴史を追うと出てくるキャラは同じになるのかもしれませんが、キャラの重要度、活躍度は著者の判断によるものですから人それぞれの視点があるものです。

 で、何をやったのか。それを書いちゃうとネタバレなので、なにも書けない。ただし、「タイムスリップ釈迦如来」ほど砕けたものにしていないので、「まじめ」な人でも取りつきやすいですとは言えます。

新・世界の七不思議

鯨統一郎
創元推理文庫 700円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 この本、すごいです。ミステリー小説ということになっていますが、歴史学の新解釈です。学者は相手にしないかもしれませんが、学者は「自分の仲間以外の人が考える発想」を邪道と考えるものですから、学会のようなところでは評価されないような内容が含まれています。私は感動しました。「アトランティス」とは、そういうものだったのか。これでさっぱりした。

 著者はコンサルタントだったそうです。だから、現実というものを常に相手にしていたはずです。人の都合などは考慮してくれない「結果」をもとに行動計画を立てる世界で仕事をいていただろうから、歴史学者などの文系学者の世界とは関係ない。だから、世界の七不思議と言われているものをすぱっと解説しちゃいます。読んでいて快感が味わえます。

 バーでの出来事をベースに話を進めます。カクテルについての記述が要所要所にでてきて、五感を刺激します。想像のものですけど。でも、それが通常の小説にない面白さを読者に与えてくれるのでしょう。もっとも、私は小説を読まないので、普通の人とは違う感想を持っているのかもしれませんけど。

2006年8月11日

タイムスリップ釈迦如来

鯨統一郎
講談社 800円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 釈迦のキャラがかなり変わっている。このキャラ、昔読んだことがある。あぁ、あれだ。高橋留美子の初期の作品「ダストスパート」にあったぞ。といっても、ほとんどの人は知らないだろうけど。一見むちゃくちゃだけど、よくよく考えるとこんな釈迦もあり得るような気がする。ふざけている。そういう人がほとんどだろうけど、私は「あながちうそとは言えない」と思っている。

 この本について多くを語ることができない。語ればネタバレになるから。ただ言えることは、この本は「邪馬台国はどこですか?(鯨統一郎)」のブッダの話を扱ったものだとわかる。仏教はねぇ、哲学なんだよ。悟って、どういう事をさすのだろうか? 本当に悟ったのか? こんなことを考えることに興味を持たれたならば、一読の価値はあると思います。

2006年8月 5日

はてなダイアリー

水野貴明
MYCOM朝日コミュニケーションズ 1600円
お勧め指数 □□■■■ (2)

 はてな、というサイトに興味をもった。そこにブログを立ててみたのだが、なにかよくわからない。いや、文章を入力するだけならばなんとかなるのだが、はてなの他のサービスと連携するようなことがよくわからないのだ。そういう機能がきっとあるはず。さて、何か情報がないかとネットを探したが要領を得ない。しかなたいので本を探してみた。それがこれ。
 はてなダイアリーにはタグがつけやすくなっているということか。他のサービスと大きな連携機能はないようですね。わずかな金額を毎月支払えば、「容量」関係の制約はなくなる。そんなことがわかった。さて、しばらく使い込んでみようかな。

タイムスリップ明治維新

鯨統一郎
講談社文庫 675円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 文句なし面白い。「邪馬台国はどこですか?」の印象が強かったため、リアルな歴史ミステリーのようなものを期待しちゃって、こういうおちゃらけのようなものには抵抗を持っていました。が、読んでみたら「なんだ、やっぱり面白じゃん」。何かを学ぼうという「向上心モード」ではなく「ラジオドラマ」というような、気晴らしのようなスタンスで付き合うと、大好きになってしまう本でしょう。私は、通勤電車の時間が楽しみになった。

 この本を楽しく読むためには、幕末から明治維新について知っているとよいでしょう。司馬遼太郎さんの一連の本を読んでいれば、満足間違いない。この本で登場する人物の背景もくっきりしている揺るぎないものがあれば、女子大生がこの時代にタイムスリップしたくらいで「うそくせー」というような感情を抱かなくて済み、単純に楽しめると思うからです。

 もうちょっと鯨さんの本は読んでみよっと。

2006年8月 4日

ONOGORO / YAMATO




鯨統一郎
ハルキ文庫 各600円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 古事記が読みたいなぁと思って現代語訳を探していた。少し前に読んだ本は現代語訳ではあったのだが、話が断片的だったことと、編集者が学者指向があったようなので、「人を楽しませよう」という態度が欠けていた。もっと古事記がよみたいなぁと思っていたが、鯨さんが書いていた。なんだ、あるなら早く言ってよ。そう、うれしくなって早速読んだ。

 文句ないですね。古事記って、学問対象としてはどうなんでしょうね。人間の考えることは、今も昔も「なんも変わっておらん」ということを思い知らせれました。因幡の白兎やら海幸彦山幸彦、ヤマトタケルの話、稗田阿礼は結果的に面白いものを残してくれたものだ。そう思います。塩野七生さんのローマ史を読んでいて日本の古代って、つまんねーと思っていた私ですが、少し日本の古代人を見直しました。