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2008年3月30日

人間へのはるかな旅

森本哲郎
潮出版社 650円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 1970年の日本にて。高度経済成長とう加速期間の後半にさしかった時期に著者が考え込んだ「現代の日本はどこかおかしい」というテーマをもとに、イラクのバクダット、モロッコのカサブランカで現地の人から長老と呼ばれている日本人に教えを請いに旅に出かけるという実体験?をもとにしたフィクションのような小説のような実に不思議な哲学書である。まぁ、いわゆる森本本。こういう本を今書ける人はいないだろうと思う。なぜなら、著者が感動したような砂漠やイスラム諸国は紛争地帯だから、ちょっと旅してくる、ということができないから。

 サブタイトルにある「現代問題集」の通り、1970年の時点で社会問題となったものを森本哲郎が思索する。しかし、その時代の定番である学園紛争よりも、現在でも問題となり続けているテーマが中心である。それは、情報化社会だったり価値の多様性だったり、世代間の断絶だったりと、今朝の新聞を探せば色々な関連記事が見つかるようなことだ。ただし、この本では、そのフレーズが初めて世の中に紹介されたときなので今感じる当たり前感はなく、「そんな問題があるらしい」というスタンスでいる。ちょっと時代を感じるところだ。「狭い地域で同じような境遇で同じような教育を受けて同じような仕事している人が、みんな別々のことを考え、ばらばらの価値観をもつようになってしまうなんて!」ということを主人公である森本哲郎が信じられないという気分で驚いている。今ならば「当たり前」なことなのだが。

 この本の出版から37年たっている。しかし、本書であげられたどの問題も「未だに問題」であってどれ一つ解けなかったようである。いまは、子供にやたら危ない種族がでてきたので、事態は悪化する一方なのかもしれない。これはなにも政治が悪いからでも役所が悪いからでもないだろう。日本人って、変化することは得意なんだけど、哲学することは不得意であって、歴史から学ぶこともできないからのだろうかと思う。

 社会に問題があるのではなく、人に問題があるのだ。そして人は変わらないならば、問題はずっと同じものであるはずだ。そういう言葉を読むんでナルホドと思う。今、全国ネットてTV放送しているゴールデン番組で前世を語っているものであり、占星術士の本がベストセラーだったりする。教育と感情とはリンクしんていないのか、現代人ってホントに現代人なのか疑問に思う人結構いるのではないか。社会の圧倒的多数の人は、まぁ、自分も含めて数千年変わっていないのだろうなと思う。

2008年3月24日

井沢式「日本史入門」講座 4

井沢元彦
徳間書店 1500円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 シリーズ4作目。当然買い。感心しならが一読。ぼくが読みたい歴史の本はこういう視点もの。それは、単に「あいつかこうしてこうなった」的なものではなく、「なぜ、それがそういう形で起きたのか。そして、その出来事が現在とどういう形でつながっているのか」という、単純に「疑問」に答えてくれるもの、あるいは、見方を示してくれるもの。井沢元彦の本はすべてその視点から語られている。

 「なぜ、日本の社会においては談合がなくならないのか」という素朴な疑問を社会に根ざしている考え方から説明しようとしている。それは「だって、うらまれるのはいやじゃない」という原理にあるのだとしている。「和をもっと貴しとなす」の精神は、過去から現代まで完璧に受け継がれているし、自分にもそういうところがある。自分の考えるクセについて気付くことができれば、それを考える対象にすることができ、自分の行いを知ることが出来る。それがよいのかわるいのかを別にして、ともかくも自分のやっていることを自分ですることができるわけだ。歴史を学ぶ意味は、自分の行動の価値判断の由来にはどういものがあり、それがどういう成り立ちから出来たのかを知ることにあるだろう。

 歴史についての教科書は数多く存在するが、歴史をどう利用したらいいのかを語る歴史の教科書はない。せいぜい、過ちをくりかえしませんから、といった貧弱なことしかない。結果を真似る必要などない。成功体験は役立てようがないのだ。それよりも、つねに「それはなぜか」を問い、今の時代に「なごり」がないかを考えるほうがよい。もっといえば、これほど直接的に役立つ学問は珍しいと思うのだ。

 これが理解できて、はじめて日本史に興味がもてる。これまでは誰が誰も息子だ、みたいな話であって、そんなの権力者や貴族のファミリーマターであって無関係のな人にとっては「なんの意味もない」ゴシップだと思っていた。ローマ史のような学ぶべことがないと思っていた。しかし、問題を額面通り見るのではなく、「そういう行動から何を演繹できるのか、現在の人の考え方や儀式にどう影響しているか」を考えれば、日本史であっても勉強になる。藤原氏は「悪党」という見方もできるが、「頭がいい」という見方もできる。問題は「いいかわるか」ではないので、どっちでもいいが、平家や源氏の登場の理由、武士の成立の理由を考察することにある。井沢さんのようなガイドをもった人は、人生得だと思う。

2008年3月22日

遥かなる道

森本哲郎
クレオ 2990円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 旅のフォトエッセイ。新たに旅をした、というのではなくそもそも著者はいろんなところを旅しているので、過去の旅から「道」に関する思い出と写真とから構成された本である。なので、森本哲郎さんの他の本を読んでいると、あの時の写真だろうな、などと察することができる。さすがに印象深い写真は同じものが多いけれど、とくに「再編集」感がただようことはなかった。

 写真はプロの方がとったものと著者がとったものとあるのだろう。結構被写界深度が浅いものがある。コンパクトカメラではなく一眼レフでとっているのだろうか。よく見ると、すごい画角だったりする。こういうものはプロの人がとったんだろうな、などと想像する。自分でも興味がてら写真をとりはじめると、「上手だなぁ」「なるほど、こうやるのか」「どういうレンズなんだろうか」などと違う視点を持てるものである。以前のぼくならば、単にエッセイの方ばかり目がいってしまうだろうけど、写真もエッセイも同時に楽しめた。

 ただし、なんだかちょっと物足りない。おそらく、雑誌かなにかの連載だったのだろう、エッセイ分は導入と本論とがどうにも物足りないものがおおい。ぼくが著者の他の本を結構読んでいるせいだと思うが、エッセイが説明的するぎる気がする。週末の夜にお酒でも飲みながらゆっくり観賞しようかと思っていたが、そこまで不快感じを味わうことはできなったのがちょっと残念だ。

2008年3月19日

ウェブ時代5つの定理

梅田望夫
文藝春秋 1300円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 名言集をもとに生きることを鼓舞する、というか、働くことを鼓舞する本はこれまでもいろいろあったし、これからもいろいろあるだろうと思うけど、シリコンバレーの良い面を全面にだし、明るく挑戦的に、そして結果的に愉快な人生を送れるように願いを込めた本としてこの本は残るんじゃないか。インターネットがどういう風に変貌していくのかぼくはわからないし、そもそもnobody knowsだろう。だから、インターネットの発展期を背負っているという特殊性はあるけど、それはそれ、物事が上昇していく様は若い人こそ憧れるだろうから、そういう雰囲気に合っていると思う。そういうぼくも、なんだか楽しくなった。

 この本で取り上げられた言葉の発言者、著者は面識があるようだ。本や伝説でしか本人を知らない人よりも、変な思い違いがないぶんだけ信用していいだろう。また、著者も成功した人だし。なんだか、晴れ渡った空を仰ぎ見るような気分がする。


Your time is limited, so don't waste it living someone else's life.
Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking.
Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice.
And most important, have the courage to follow your heart and intuition.
They somehow already know what you truly want to become.
Everything else is secondary.

Words by Steven Jobs.

 ぼくはこういう言葉に感動してしまう。さすがだよなぁ、って思う。日本でこんな言葉をはける人はいない。大抵説教だよね。ウソだとおもったら経営者の名言を並べてみればいい。まぁ、それが身の程ということだろう。これまでの日本がそうなんだから、その上にのっている自分も、まぁ、そんな感じなんだろうけど、それでも、青空を仰ぎ見るのは気持ちいいと思う。だったら、それいいでいいじゃないか。

 まったく、この本の紹介にも感想にもなっていないけど、名言集だから要約しても引用してもあまり意味がないと思う。

 で、自分が好きなことばといえば、

I try to work on things that won't happen unless I do them. --- Bill Joy

 まったっくもってそうしたい。失敗してもいいじゃん。単に「自分の」人生が失敗するだけで、他の人が失敗するわけではない。だったら、ぼくはこの言葉を信じていきたい。


2008年3月18日

ほんとうの環境問題

池田清彦+養老孟司
新潮社 1000円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 おお、このコンビで環境を語ったら本当のことしかでてこないだろう。『環境問題のウソはなぜまかり通るのか』と同一の路線だから、きちんと読んでおかないといけない。そう思って読んだが、まったくその通りだった。マスコミや役人は一体なにをしたのか頭を傾げたくなる。

 環境問題はウソである。それはわかっている。そもそも、数値シミュレーションの経験があるひとならば、100年単位の予測など「結果を先に先に決め手からかかるのだろうな」ということが透けて見てしまうので、それを根拠にしたあおりには余り興味を示せない。そもそも、一体どうしたいのだろうか、マスコミや役人は。その真意を伺いたくなるような洗脳キャンペーンを先進国はやっている。本当に、どうしたいのだろうか? オレらは偉い、ということを主張したいだけならばそうしていればいいのであって、なにも日本を壊すことはないのに。

 日本の場合は先の戦争前を思い返せば、環境問題がどうなっていくのか予想できる。そして、しかるべき本を読めば、役人・マスコミ・軍人、そして、それに従った普通の人々が単に自滅したのだとよくわかる。それは日本が国際社会のなかで一人だけ「すっごくよい方向へ」暴走しないような仕組みがあるのだろうと思っている。だから、環境問題の取り扱いの異常さと、その扱い方のばからしさの問題もその現れなんだろうと思ってる。面白いことに、きちんとした自然科学の手法がわかっているひとほど、文系でも理系でも温暖化問題をひややかにみている。一方、そうでない圧倒的多数の人は、温暖化がまずいと叫んでいる。この本の中で養老孟司が言っている。まるで戦争中に「欲しがりません、勝つまでは」と言っていた人のようだと。そして、そういう人って、社会に対してなんの責任ももたいにし持てない。

 こういう本ほど、きちんと読まれるほうがいい。それを影響力のある人がテレビで放送してほしいなと思う。”たかじんのばー”のようなとこでもいいのだけど、もっと影響力がある人がやってくれれば、ものごとはすぐに解決するのに。でも、だめなんだろうな。まぁ、いいや。他人のことを構っている場合ではないし。

 それにしても、新潮社は偉いと思った。どうしたんだろうか。


2008年3月16日

白川静さんに学ぶ漢字は楽しい

小山哲郎
共同通信社 1000円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 漢字の成り立ちについて、白川学を小学生にも手が届く範囲で解説する本。文字の原形(金文体)までにもどって、それをイラストと併記することで印象とともに漢字のそもそもの姿をしることができる。なるほど、漢字が形成されていく過程には神との関係や軍事、そして、習慣など当時の中国の人々の考え方がモロにあらわれていて、現代の中国の人よりも身近に感じることができる。もっとも、言霊の重要性や占いの信用などは、現代に生きるぼくとは直接つよくは結びつかない。しかし、古代ならそう考えても不思議ではなく、ぼくもそう思って行動しただろうと思うから、漢字のもとつ妖しい雰囲気も素直に理解できる。

 こういう本で漢字のそもそもの成立を知ってしまうと、旧字体のほうが新字体よりも合理的だとわかるし、そもそも「書き順」なるものがどの程度意味があるかを疑うようになる。どうせ、どこかのインチキな学者が文部省と手を組んで自分の権威を普通の人に広めるためにつくったのだとよくわかる。どうして、そういうものが今でも充満しているのだろうかとがっかりする。

 自分としてできる範囲でいいから白川静から漢字を学び、それを使っていくように勉強し直そうと思う。漢字そのもに興味をもつきっかけになり、漢字を見るときに「味わい」を感じるようになれた。白川学への紹介本を作ってくれた人の感謝したい。

2008年3月14日

ネロ

秀村欣二
中公新書 660円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 ネロ。年代順に出来事を記述しただけの教科書のような本は大嫌いなのだけど、ぱらぱらめくってみたらわりと期待できそうだったので購入した。古い本だから古本を探せばきっとあるだろうけど、すぐに読みたい気分だったので新刊で購入した。結局、読んだのは半年後ぐらい経ってからだったのだか。

 歴史の本で文句なしに面白いのは塩野七生、司馬遼太郎、井沢元彦、梅原猛という人だと思うので、ぼくはごく普通の市民的な感覚であろう。学者ではない。学者が嫌いであろう人たちの本が好きなんだろうと思う。おそらく、大多数の人はぼくとぼく側につくと思う。この本の著者は学者側である。でも、権威的な物言いをしていない。史実と認められたのとは違う物語をも扱ってくれている。そうでなきゃ。

 題材はネロ。だれもが「クオ・バティス」のイメージしか持っていないかもしれない。でも、実施は少し違ったようだ。ぼくはローマ人の物語でかかれた姿をベースにして、それでいいやと思っている。この本は、それと同じ流れである。始めは良かった、でも、ゆっくりと暴走してしまった。ネロをそういう人だと思っている。また、そう書かれている。この著者はどちらかと言えば中立的な立場に立とうしているようだ。

 ネロは最後自殺した。これだけのことをした人だから、「実は死んでいない」という噂が広まり、また、実際「自分はネロだ」と言い張るひとが何人もでたらしい。それがローマ人の当時の記録に残っている。不思議な気分がする。ヒトラーの時も実は死んでいない論が広まった。あまりにも存在が派手な人は、死んだということが世の中の人が受け入れないらしい。そういう、気持ちがあるからこそ噂が広まるのだ。なんだか、ネロを同時代の困ったチャンのような気分で感じられる。

 著者は英雄と悪党は紙一重だと言っている。アレキサンダー大王とネロ。殺した人数ならばずっとアレキサンダーの方が多い。時間が経てば経つほど、どちらに評価が揺れるのかは偶然なのではないかという気分もする。本当はどうだったのだろうか。ろくでもない人であることは確かだが、やはり実際見てみたい気がする。かなわぬ夢なのだが。

 そんなことをぼやっと考えさせてくれる。それが本である。良い本である条件のようは気がする。この本は、新書としてあるべき姿かなと思う。

 ちなみに、巻末の参考文献をネットで購入した。両者とも古い本である。一冊はアメリカのユタ州にある古本屋で、もう一冊は日本の古本屋で購入した。さぁ、早くとどかないかな。塩野七生の描くネロ像との違いを楽しみたいと思う。

2008年3月11日

ブッダの幸福論

アルボムッレ・スマナサーラ
ちくまプリマー新書 720円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 この本も前の本と一緒に購入した。スマナサーラさんの本は何冊か読んでいる。養老孟司との対談が一番好きだ。解説してくれていることは、とても全うなことだし。ただし、この本にはイライラを解消するようなワザではなく、何かお話ようなものを期待していた。

 「この世のなかで、金を豊かになることが人生の目的になってしまったら、それはある一部の人間にしか実現できないものです。」

 あああ、そうだよ、と思う。お金がない人がいて、そういう人に政府がお金を支給し始めたらインフレになってしまう。ある一定量を越えたお金が世の中に出回るとお金の価値がなっくなってしまうので、結局お金は解決の道具にならない。つまり、お金は限られた人が幸せになるためのあるものだといえなくもない。そうだよなぁ。

 「生き物同士、危険な関係のところにはわざわざ行きません。お互いに放っておいて、棲み分けているのです。」

 嫌な人には挨拶だけをして離れているか、逃げるかのどっちかがよい。そういう人と闘う必要もない、追い出す必要もない。そういうことに気をつければいいのだけど、そういう知恵ってだれも教えてくれないのが普通。むしろ、みんなと仲よくなろうとかいう話になってしまう。

 解けない問題やら生活の中での些細な問題について考えていると、その答えが仏教などの宗教的な教えにあったりする。別にカルトになるわけでなくとも、1000年スケールで継続している宗教ならば何らかの意味で人々が抱える問題についていろいろアドバイスしてくれる要素があるもんだ。誰かを攻撃する前に、誰かを恨む前に、すこしお経でも読んでみることは意味があると思うのだが、どうであろうか。

 最近そうことを考える機会が多いのだが、それってやはりオッサンかしたということかな。まぁ、歳を取ってきたのは確かだし、悪いことではないからそれでいいのだけど。となると、世間にいるおじさんたちも同じようなところに考え到っているのだろうか。


2008年3月10日

幸せになる力

清水義範
ちくまプリマー新書 700円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 少し疲弊した気分になった日の帰り道、乗り換えの駅にある本屋で電車の中で読む本を物色していたら、幸福論が目に飛び込んできた。著者は知っている。大丈夫、へんなスピリチュアルなモノではない。ちょっとした考え方というかアドバイスがあるのだろうと思い購入した。

 幸福論というようなタイトルの本を買うのは30代から50代までのサラリーマンだろうから、想定読者もそういう人だろうと思っていた。が、どうやら子供から中学生、高校生くらいだったようだ。すこし諭されるような語り口なので、ちょっと場違いな講演会に潜り込んでしまった感があった。が、まぁ、きっと何かヒントがあるだろうと思って読んでみた。

 「幸せの形は数えきれないほどあるんだ。どれか一種類の生き方だけが幸せだなんてとんでもない。」

 「ビリでもいいけど、それなりにレースを一生懸命やってね」

 柔らかい感じをうける子供の挿し絵とともにこういう言葉が覗いている文章だから、想定内の内容である。新しい知識や変わったものの見方がどうやらえられそうもない。と、まぁ、元気なときはそう思うだろう。ところが、ちょっと考えてしまったのだ。今考えていることは、この言葉が解決策であり、もうすっかりわかっていたことじゃん。

 いくつになっても面倒なことがあるものだが、まぁ、結局のところ、それなりにやるよりないではないか。そういう言葉をまじめに言ってくれる人がいるならば、その人は幸せだろうなと思う。

 ちょっと疲弊したときは、無理しないで家でお気に入りの音楽を聞きながら、お気に入りの紅茶でもすすっていたほうがいいだろう。結局、なんの癒しもえられないのだが、それはそれで仕方ない。

2008年3月 4日

物語 イスラエルの歴史

高橋正男
中公新書 980円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 どうにも帰りに読む本がなくなってしまったので、昼休みに生協で購入した。以前、同じシリーズでイタリアの歴史が良かったのでこの本もいいかなぁと思ったのだ。実際のところ、物語、と言う感じがよわく、後半はよく知らない人がたくさん登場するのでなんともいまいちだったが。

 新書にしては厚め。ただし、イスラエルという国の歴史をコンパクトにまとめてた労作だとは思うのだが、これを読んでも中東醸成はよくわからないし、ユダヤの人々の特殊性なるものは知りようもない。かといって、物語を聞いているような気分にはなれず、焦って授業をすすめている特別講義のような感じがするので、全体としてはもうひとつの評価になってしまう。

 新書で扱うならば、不完全でもいいから物語の意図がわかるようにしたほうがいいだろう。数人の人にしぼって語るようなのがよい。だって、詳しい本ならばいくらでも見つけられるのだろうから。

2008年3月 2日

テレビ標本箱

小田島隆
中公新書ラクレ 740円
お勧め指数 □□■■■ (2)

 好きなタイプの本ではなかった。悪い気分がするとか、腹が立つとかではない。どうしてもいいような気がするような内容をあつかっているから。ナンシー関の本ですね。そもそも芸能ネタに興味がもてなかったり、政治家に怒りをぶちまけたりする気分がしないので、興味がもてないのです。もし、ナンシーが好きだったら、この本も好きになると思います。