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こころと脳の対話

河合隼雄+茂木健一郎
潮出版社
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 東京堂書店

 河合隼雄との対談。少し前に対談していたようで、最近になって出版されたそうだ。出版された時、茂木健一郎は朝カルでの講義でこの本についてコメントしていた。最後の対談では茂木のことを立花君橘君って呼ぶので困ったそうだ。
 河合隼雄の対談本は不思議と気分が休まる。休日の午後に読むには都合がよいので、古本屋で見かけたら買う事にしている。対談相手がどんな人でも構わない。知らず知らずに治療されているのかもしれない。

 出だしでお互いの研究分野のことを語り合い、両者の話がかみ合いそうなところを探している。脳学者からみた心理治療についての興味など。ただ、そういう話は一般の人からは距離がある。
 次に、茂木健一郎が大学生のころ箱庭をやったことがあると話を切り出す。どんな箱庭になったのかということで話が盛り上がる。箱庭で茂木健一郎がどういう人なのか、河合隼雄はわかってしまうのだろう。是非、京都の河合隼雄の研究室に来て箱庭をやろうという話になる。
 そして、京都の研究室で実際に茂木が箱庭をやり、その結果を見ながらあれこれ話をする。なんだか、茂木健一郎にたいする治療を後ろから眺めているような気分がする。

 不思議なところなのだけど、河合隼雄の本は知識のようなものが意識に残らない。全体としてどんな本だったのかは覚えているし、個別にあれこれトピックを思い出して語ることはできる。しかし、「勉強になったことは?」と問われると両手にはなにも持っていないことに気付く。
 たぶん対談本を読んでいる最中には頭にいろいろ浮かんでいるが、それらは雨が地面に吸い込まれるように無意識へと沈んでしまったのだろう。本から直接「癒し」が行われているのかもしれない。河合隼雄くらいになると、そんなことが起きてもおかしくない気がする。

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