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インテリジェンス人生相談復興編

佐藤優
扶桑社
お勧め指数 □□□□□ (5)

人生相談って、こういうものを言うのだろう。

「さすがにそれは人に相談することか?」
「そりゃ、虫がよすぎるだろ」
「ちょっと自分のやっていることを考えてみろよ」

読んでいると、むっとしたり呆れたり、怒りがこみ上げて来たりする。

さすがは牧師の資格をもつ佐藤優さん、淡々と答えていく。
淡々というか、その人の100%見方になって答えていく。
具体的な方法を提示していく。
回答に「佐藤さんが自ら請け負った責任」を張り付いている。
こんな相談者、ちょっといない。

人生相談って、説教だったり、頓智だったり、正論だったりと「いらないもの」を渡されるものだと思っていた。
実際そうだろう。
このシリーズも三冊目だが、こんな活動ができる人は、佐藤さんくらいしかいないだろうなぁと。
(ありがたいをを大上段から語りかける人ならいくらでもいるのだろうけど)

世の中には「どうにもならない状況にいる」という人も結構いて、そういう人を助ける、あるいは苦しみを緩和させることは社会的な機能として必要だと初めて理解した。

教会の機能って、そこにある。
そしてそれは社会にとってはとても重要だ。
だからローマ世界がキリスト教に飲まれたのか。

現代は蛮族が荒れ狂う古代ローマ末期とは違うのだが、「どうにもならない辛い人」というのは現代においてもたくさんいる。
本来であれば「社会」がそういう人を助けるはずなのだが、グローバリズムがはびこる今の世の中にはとても無理だろう。

TPPが成立することで日本社会も末期に突入すれば、社会にすがることができない人がぐっと増えてくる。
となれば、教会の重要性は増してくるだろう。
古代ローマ末期のローマをよく考え、自分のいる社会の少し先の姿を想像できる。

なんか、嫌な世の中だ。