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2012年4月24日

ニュースキャスター

大越健介
文春新書
お勧め指数 □□□■■ (3)

NW9は、ぼくがみる数少ないニュース番組で、内容についてもNHKであるということを考慮しつつも、かなり信用している。
もちろん、原発報道については相当「放送しない」と思っているし、セレクションも保守的である。
それでも、民法よりにいいかなとは思っている。

ニュース報道については、キャスターがどのくらい信用できそうかで見るかどうかを決めている。
人を見る目など大していないし、テレビにすっかりとだまされてしまうこともあろう。
が、それでも一応話を聞いてみて決めている。

ふっとした一言などを丹念にみていえば、やらせや出来レースのようなことを報道することを何とも思っていないのかどうかくらいはわかる(はずだ・・・)。
たとえばNHK解説員の水野さんは、嘘を言う必要があるときはネクタイがおかしい、とか。

震災以後わりと頻繁に見るようになったニュースソースはNW9だから、これも何かの縁だろうと本書を手にしたわけだ。
が、なんと、半分は「ブログ」の再編集した新書だった。
NHKのサイトに書かれる文章だから、だいぶ丸まった主張が述べられてしまうのは仕方ない。
その分面白未がかけるので、まとまって読むには少しつらい。

ただ、前半半分は書き下ろしであり、その文章はわりと面白い。
ページ数を稼ぐ尋常手段として、どうしても自分の来歴を語ってしまうことになってしまうのは仕方がない。

ニュースとは別の観点からのニュースについてを語ってもらいたいなぁと思った。


2012年4月23日

武 <武術への招待>

甲野善紀+井上雄彦
宝島社
お勧め指数 □□□□■ (4)

ずいぶんと長い間、机の端に積んであった。
この単行本を買ったことを忘れ、文庫まで買ってしまった。
こういうことは良くあるとはいえ、縁がくるまで読めないので、無駄は仕方がない。

あるとき突然にバガボンドをよもうかなぁと思ったのだが、それはこの本の表紙が気になっていたからかもしれない。
深層心理に深く入り込んだイメージは、何かがきっかけで意識に前景化し、急に気になることがある。
いわゆる、読むべき時がきた、というやつがそれで、そう思ったが吉日として読むことにしている。
そういう本はすらすらと読める。

組合の技について二人が話し合うシーンは、巻末に写真がでているとはいえ、正直想像するよりない。
想像するといっても映像はひとそれぞれだろう。
何となくわかったような感じで先に読み進むのだが、こういうときは対談されている二人を信用するよりない。
きっとすごいんだろうなぁ、とでも思いながら。

途中バガボンドについての解釈や江戸期の武術に優れた人たちの逸話を甲野さんが語り、井上さんがおもしろがるという場面がある。
こちらも彼らの背後で話を聞いているような気分になった。

跳んだりはねたりというアニメやチャンバラ劇とは少し違う、武士たちの「究極をもとめる」姿勢に思いをはせる時間を持てた。

2012年4月20日

生きるための論語

安冨歩
ちくま新書
お勧め指数 □□□□■ (4)

論語についての解説書なのだが、どうして今なんだろうか、と疑問に思って手に取った。

日本人は長いこと論語が教養の基本にあったし、教育は素読から始まっているじゃない。
歴史小説でも時代劇でもよく紹介されている。
だから、「論語の内容の意味」は完全に理解されているものだと思っていた。
が、どうやら違うらしい。

現代中国語とも違うようだから中国人が読んでもしっかりと根拠のある、しかも意味が理解されうる解釈というのは「ない」ようだ。
それぞれ「こうでしょ」という了解の元に論語が教訓かされている、という状態なのだ。

だから、安富さんが今「この解釈はおかしい、こう考えないとつながらない」ということを言い出してもなんら問題はないわけだ。
これまで、そんなインチキな理解度の上に日本の学問と呼ばれしものがあったのか。
びっくりする。

この本で、孔子が言いたいことをたどっていくと、どうやら「学ぶ」ってことが中心課題なんだってことになる。
もっといえば「制御」の考え方が入ってくる。
これも驚く。
フィードバックですよ、ある種の。
そんなのを孔子は主張していたのか。

いかにして学び続けていくか。
これが要するに人生ってことですね。

誰もが文句をいわないだろう理解なのだが、この本を読まないとぼくが言っている意味はわからんだろう。
いろいろ勉強になりました。