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2011年6月25日

ほんとうの復興

池田清彦+養老孟司
新潮社
お勧め指数 □□□□□ (5)

2011年6月22日

ウィキリークス以後の日本

上杉隆
光文社新書
お勧め指数 □□□□□ (5)

ウィキリークスの記事が読みたいからBBCやインデペンデント、ガーディアンといった英国の新聞記事をウェッブやキンドールで読んでいた。
日本の報道の「異常さ」にはそのときに気がついた。
ただ、震災の報道となると、日本の新聞社の記事をフィルタして知るよりなかったのだが。

2011年5月15日

大津波と原発

内田樹+中沢新一+平川克美
朝日新聞出版
お勧め指数 □□□□■ (4)

ラジオデイズで録音を購入しようかと思っていたのだけど、どうも気が進まなかった。
今回、鼎談を文字で起こして出版されたものが800円しないで書店にあったので、早速購入し読んでみた。

なんだかわからない違和感を感じた。

内田樹さんの著作はだいたい読んでいるし、そのうち何冊かは何度も読んでいる。
とても参考になり勉強になったと思っていたし、ぼくが参加できる内田さんの講演があるときには新幹線で関西まで往復の乗車賃をかけてまで聴きに行っていたくらいに、ぼくは熱心な(タツラー)読者だった。

しかし、震災以後の内田さんのコメントやブログに違和感を感じ、結局途中から読まなくなってしまった。
というのは、東京に足して「ざまざみろ」てきなところが見え隠れしていたから。
さらに、原発についての「煽り」はその後ますます盛んになり、辟易していた。

なるほど一人の人間全体を長期にわたって尊敬することは、それは大変難しいということなんだ。

この本を読んでみたが、内容に反対をする気にはならなかった。
この本にある見方をする人がいても、それでいいのかもしれない。
面白いし。

しかし、原発の問題についての発言は、かなり的を外しているように感じている。
原発の問題は、要するに津波でバックアップまでやられたということ。
なんで海岸側に電源系があるのだとか、外部電源が喪失したのだとか、GEの設備が要求する電圧に適合する電源車がなかったのだとか、そういうことで事態は悪化したのは事実だ。
しかし、そこをあげつらうことは意味があることだろうか。
「なぜ、電源がなかったのか」と、批判して何になるのか。

それらは全部後知恵だろう、として一括できてしまう話である。
そういった不備をもとに、いかなることでも正論として言えてしまう。
なにせ現在のような原発の状態になったのだから、エンジニアが何を言っても負けである。

問題が「浮かび上がったあと」での追求を議論するのは、まぁ文系の人にやっておいてもらえばいいし、それを防ぐことなどできない。
だが、それは原発の問題ではなく、ある種の腹いせでしかない。

何はさておき東電の現場の作業者の活動を優先させるべきだ。
これは変わらないし、今でもそしてこれからも必要だと思っている。

それを第二次世界大戦中の「兵隊さんが頑張っているのに」的な批判と重ねて彼らが非難するのは、ぼくは的外れだと思う。
戦争は原理的に止められるし、あるいは負ければ終わる。
人の問題であり、要するにケンカでしかない。

しかし、原発事故は物理過程であって、人の意志やお金で事態が収束するという道はない。
今の原発問題については、もうあらゆる人事的には批判は事態収束のためにはナンセンスなのだと思っている。

彼らの鼎談内容もその提案も、なんか「現実に何かをするひと」の発想ではない。
学者や物書きの発想である。
それはそれで文化的でよろしいとは思うが、すくなくとも政府で実施する内容とは違うだろう。

そういう違和感を彼らに対して再確認した。
彼らは現実の話をしており参考になるように思える。
しかし現実があまりにも切迫している段階では、意味を持たない主張でしかないように感じた。

なんか、とても残念だ。

2011年5月 9日

奇跡の脳の物語

茂木健一郎
廣済堂新書
お勧め指数 □□□□■ (4)

あっ、このテレビ、ちらっと見たことがあるわ。
そんな軽い動機で買ってしまった。
サバン症候群の話で、題材は古くあらあるのだけど、茂木健一郎さんが扱うときな何に着目するのか。
そんな興味から購入したが、正直とりたてていうことはなく、うーん、という感想しかない。
つまらなくはないけど、たぶん数ヶ月で内容を忘れてしまう。

人間には普段の生活では発揮されないような潜在能力がある、ってことを知る本を狙ってつくったのか。
それとも、スゴイ人もいるもんだ、でつくったのか。
いずれのテーマも自分の普段の生活とあまり接点がない。
まぁ、それは当たり前なんだけど。

2011年5月 8日

日本復興計画

大前研一
文藝春秋
お勧め指数 □□□□□ (5)

大前研一ライブを本にした内容で、おもに原発の解説をしている。
復興についても言及しているが、このライブが収録された時期の問題や大前研一さんが原子力エンジニアだったこと、そもそも原発事故後が悪化すれば復興といっている場合ではなくなるであろう認識を持っているから、原発についての対「煽り」の情報を得ることができる。

当然だが、この本を読むと大前研一ライブを見れない人でも原発についてを知ることができる。
日本のマスコミ全社一斉の「煽り」に判断を惑わされなくてすむ。
正しい知識を得るということは、テレビをつけて民放の煽りを見ることではないことを心に刻みつけられる。

ただ、現在はどうなっているのか。
書籍だから一月ぐらいのタイムラグは仕方ない。
今後のことについての考えをまとめた次の書籍が待ち遠しい。

2011年5月 7日

3.11 クライシス!

佐藤優
マガジンハウス
お勧め指数 □□□□□ (5)

震災当初からの雑誌や新聞へ寄稿した文章をまとめたもの。

まずは政府・内閣を助けて危機的状況を乗り越えるという立場を表明しており、その必要性を読者に語っている。
それを翼賛するというのだそうだ。
翼賛という言葉は太平洋戦争時の大政翼賛会という言葉を思い浮かべてしまうので戸惑ってしまう。
しかし、いまは議論などしている場合ではなく、現場で行動を速やかに起こすことが大切だ、という意図があるようだ。

この国のルールにのっとって内閣総理大臣という職責のあるひとを助けるということが誰にも必要だ。
枝野官房長官も会見で言っていた内容で、私も深く同意する。

ぼくも震災当初から菅さん・枝野さんを応援している。
その理由は、震災後の日本が古代ローマ末期の状況に似たことになることを恐れているからであって、
それは塩野七生さんの著作の影響を受けてのそう考えているだけど。

だから、震災から1ヶ月もたたいないときの自民党やマスコミの内閣バッシングには呆れた。
この国のマスコミも野党も、原発のことが本当にわかっていないのだなと腹がたった。
この本を読んで、ぼくの考えが的外れではないことを知って大分安心した。

佐藤優さんといえばロシア情報の解説がずば抜けてる。
この本で少し触れられているが、ロシア発の原発震災論の流布は、現在のロシアの日本批判がかの国の原発事情のためだということを知った。
だから最近でも行われているロシア発のニュースを大きく動揺しないですんでいる。

佐藤優さんが外務省にいたら私のような普通の人が、ニュースの意味についても理解できないまま動揺して日々を送ることにならざるをえない。
しかし、私らにとって幸いなことに、ロシア外交については佐藤さんの解説を読むことができる。

混乱する気分を大分落ち着けることができた。