« 山の音 | メイン | 女の中にいる他人 »

乱れる

成瀬巳喜男
東宝ビデオ[DVD]
お勧め指数 □□□□□ (5)

加山雄三が出演している。
どんな演技なんだろう。
少し抵抗を憶えながらも高峰秀子作品なので見るよりない。
なので見てみた。
そして最後で感動した。
座っていたソファーからひっくり返ってしまった。
ラストシーンの高峰峰子さんの表情、一生忘れられないかもしれない。
完全に高峰秀子のファンになってしまった。

タイトルの「乱れる」の意味がわからなかった。
なにが乱れるのか。
ストーリーは地方都市の商店街にある酒屋の未亡人の話。
戦争で夫を亡くし、必然的に店の切り盛りを一人でやってきた。
そんな商店街でも時流にのった驚異が出現する。
スーパーマーケットである。
現代でもシャッター商店街という言葉があり、大型スーパーによって寂れ行く街という話は日々のニュースで紹介されている。
この40年わかっていないのかもいれない。
逆に言えば、40年かけてスーパーが完全制覇をなしとげつつあるのかもしれない。

成瀬巳喜男の作品は世界的にはあまり知られていないと本で読んだ。
アマゾンで、OzuやMizoguchiという名前は見ても、Naruseはあまり見かけない。
扱うストーリーに世界性がないことが理由なのだろう。
そう思っていた。
しかし違うようだ。
この「乱れる」のストーリーは世界があるはずだからだ。
ではどこに世界性がないのだろうか。
ぼやぼやと考えながら見た。

数作品しか成瀬巳喜男の映画を観ていないが、そのなかでもこの映画の展開を気に入っている。
どうしてなのか。
言葉では説明できない気分である。

ぼやぼやと考えてみる。
なるほど、そこに世界性がないということの理由があるのかもしれない。