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[Proceedings] ISTS, Kobe, Japan (7 July 2015)

Attitude Dynamics and Control of Hi-speed Spinning Sounding Rocket:
Design, Implementation and Flight Result of ISAS Sounding Rocket S-520-29

FUKUSHIMA, Y., SHIDA, M., NAKATSUKA, J., ABE, T., MIYAHARA, H., and TSUNODA, T. "Attitude Dynamics and Control of Hi-speed Spinning Sounding Rocket:
Design, Implementation and Flight Result of ISAS Sounding Rocket S-520-29,the 30th ISTS 2015, D-19, Kobe, Japan, 7 July, 2015.


観測ロケットS-520-29号機で行う姿勢決定・姿勢制御についての結果報告論文です.

これまで姿勢制御を行った観測ロケットは2台だけで,それらは観測ロケット全体の経費に比較して高額な費用を投じたものでした.これが理由で姿勢制御が必要な実験テーマを観測ロケットで扱う機会が減り,天文観測などの利用者が離れていったといわれています.

S-520-29号機では,小型ながら1Nmのスラスタ(コールドガスジェット)を4台搭載し,短時間ながらもロケットの姿勢制御を試みる実験を行いました.その結果として,プリセッション動作によって観測ロケットのスピン軸を変更できることを確認できました.ただし,制御準備段階でのニューテーション抑制が満足できるレベルで動作できなかったために,スピン軸の変更量は計画値とは少し違う結果となりました.とはいえ,従来よりも小型で低コストな姿勢制御系により観測ロケットでも充分に姿勢制御を伴う実験が実質できる可能性を示すことができました.

姿勢制御を開始するためには,それに先立って姿勢決定が実現できている必要があります.S-520-29号機では800Hzという更新レートで姿勢決定を試み,想定どおりに実現できたと考えています.姿勢決定を実現するためには(1)3軸姿勢決定,(2)姿勢伝搬の2行程の機能がシリアルに機能している必要があります.

(1)の3軸姿勢決定については,地球磁場計と太陽方向センサをロケットに搭載してTRIADアルゴリズムをつかって姿勢決定しました.搭載した太陽センサの制約から,TRIADアルゴリズムはロケットのスピン周期と同じ頻度でしか行えません(太陽センサに太陽が差し込むイベントはスピン回転一周期に1回しかありませんので,姿勢決定も一周回に一回しか実施できないのです).一方,(2)の姿勢伝搬計算は,角速度計の200Hzでの計測結果を直接利用できます.スピン運動というあまり角速度に大きな変化がない運動なので,200Hz更新のデータをつかって800Hzの姿勢伝搬計算を行っても充分実用の範囲内です.

スピンは1Hzと高速であるため,センササンプリングタイムの同期および姿勢決定計算の所要時間,さらにはスラスタの応答速度などの時間管理を厳密に行う必要がある.そして,S-520-29号機はのタイミング管理をオンボードでリアルタイムで実施している.

この号機での試験に用いた姿勢制御系の設計は,今後ミッションに合わせた解析結果を反映することで機能拡張が行えます.このため,今後のミッションに継続利用できると考えています.もちろん,条件によっては適用できないミッションがあるとは思いますが,姿勢制御がないために諦めていたミッションに対して観測ロケットを使うことが提案できるための一つの手段として確立したといえるだろうと考えています.


上記のような内容を口頭にて英語で発表したのですが,セッションのチェアマンの先生にはひどく評判が悪く,質疑応答の時間めいいっぱい発表の内容について罵倒されました.こちらの英語が拙いから発表内容の「前提」などが説明しれきれていないこともあり,罵倒した先生が多分勘違いしている部分が多々あるのだろうと思って聞いていました.しかしそれを罵倒最中に反論することも面倒なので,言われるがままに応答していました.

それにしても,この発表をセレクションしたのはそちらだし,通常は聴衆者とのやりとりのためにいろいろ支援をする責任者が登壇者を罵倒し,せせら笑うという,ちょっと失礼すぎるんじゃないかとも思われる挙動をしていたのが新鮮な驚きでした.当たり外れがあるのは仕方ないのですが,これは実にひどいなと感じた,逆に思い出深い発表となっています.