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ものが壊れるわけ

マーク・E・エバハート
河出書房新社: 2200円
お勧め指数: □□□■■ (3)

 破壊力学を研究してきた著者の回想と随想録。工学でも科学でも表通りには面していない「破壊」という研究分野の大切さを語っている。タイタニック号の破断を展性=脆性転移温度以下での現象という説明から書き始めている。応力集中拡大係数という言葉を一般の人向けの本に見いだすとは思いも寄らなかったが、その説明の自然さに感心した。

 「靭性」など基礎的な単語の説明をコーニング社のガラス食器の例を交えて説明してくれる。全く初めての人だとちょっと戸惑うかもしれないが、工学部で機械工学を学んだ人なら「懐かしー」と思うであろう。つまらないと思っていた「破壊力学」、面白いかもしれないと思った。教科書を読み返してみたくなった。

 ビー玉の割れ方からカッシーニの原子力電池の容器、果ては弾丸と防弾壁の事情まで「破壊」という側面から説明してくれる。ますます、破壊に興味を持たせてくれる。

 後半は、著者の現在までの「研究」について。専門的な言葉も多くなるため、最後の50ページはなかなか大変です(読み飛ばしても問題ないでしょう)。

 いつ、どのような状態になると「壊れる」のか。定量的な扱いが可能になったのは「工学の勝利」と言える。地味な学問だが、だからこそ今後も発展してほしいと思いますね。

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