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大本営は生きている

保坂正康
光文社新書: 700円
お勧め指数: □□□□■ (4)

  大本営発表。全く信用ならないお上の嘘という意味である。その実態はどんなものであったのか。大本営の仕組み、発表内容、その実態を照らし合わせ、なぜこんなものがまかり通ってしまったのかを考えるための本。

 大本営発表サイドの軍・官僚はそれを媒介していたマスコミは、一部の人が処刑されただけで本質的な変かを遂げることはなかったようだ。戦後の「進歩的民主主義」といった文化人が無責任なことをしていたことを思えば、現在でも大本営はそこいらじゅうにあると言える。実際、ニュースをみればそう。

 自分には関係ない、というスタンスでは何も変わらない。歴史を知らずして権力を握ると、大抵大本営退出になってしまう。オリンピックの報道をみてみば、すぐにわかる。マスコミがおかしいのはその通りなのだが、そんなマスコミが存続できるのはそれを支持する普通の人が多いからだ。

 大本営発表文から構成された新聞記事を見てると興味深いことに気付く。見出し語や論調がスポーツ新聞的なのだ。この事実に気付いてからオリンピック報道の記事を見かけると「薄ら寒い」のだ。大本営は死んでいない。官僚からマスコミに主体が移っただけのようだ。

 学校で教える歴史は「過去から未来」ではなく「現在から過去」へ遡っていく方が良い。そうすれば、直接現在と関係のある歴史から知ることになる。「なぜ、そんなことになっているのか」を因果律を逆に遡及していけるのに。もっと、現代史を知ろう。そう考える。


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