あまのじゃく聖書学講義
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秦剛平 カルチャースクールなどの講義をいくつか編んだ本。前作「描かれなかった十字架」ほど挑戦的な描きかたではないが、歴史学者としての(つまり、宗教家としてではない)旧約、新約聖書にまつわる講義。一般の人向きなのだが、きちんと裏打ちされている(文献に通じている)ところが信頼できて、読んでいて楽しい。 秦さんの本は何冊か読んでいる。科学者のように資料をきちんと取り扱い、資料がないときは仮説としての想像を提示する行動が、とても愉快に思える。つまんない学者とは全く違うのだ。この人は単に「知りたい」のであって「信じたい」のではないことが明らかなので、宗教そのものに興味はない私でも、聖書のトピックを楽しく読める。まぁ、しょせん、人間がまとめた本ならば、聖書であっても、あらまほしきことだけが残る「物語」になってしまうのだが。指輪物語でも、3000年たてば聖書になるのかもしれない。結局、歴史に残る本のパターンはいつも同じだから。そんなことを考えた。 |