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ラテン語の世界

逸身喜一郎
大修館書店: 2500円
お勧め指数: □□□■■ (3)

 ラテン語の入門書以前の雑談。著者が授業の合間に話すこぼれ話を一冊にまとめた、ラテン語の世界への紹介を試みた本である。ラテン語を知らない人に向けての本なのだが、ちょっと難しいところもあるので、気楽に読めるのは半分くらいまでであろう。

 ラテン語のABCがあるのわえではない。ラテン語が使われていた時代(今でもバチカンでは公用語のようだが)ローマの話が多い。セネカやキケロの格言やホラティウスからの引用のちょっとした背景が紹介されている。英和大辞典のようなものの巻末にはラテン語で書かれた格言が記載されているのだが、そのなかのいくつかを拾って「実はこういう意味である」というような解説がされていて、面白い。

 ラテン語について、へぇ、ということを感じることはできたのだが、それ以上に、キケロやセネカの発言が全く現代でも色あせていないことに驚く。いまでもいないなぁ、こんな格言をのたまわれる人は。ほんと。

 一つ気に入ったものがある。
nulla res tantum ad dicendum proficit quantum scriptio.
よく話すためには、よく書かなくてはならない。

 話がうまい人は、特に、人を説得する演説の能力は「文章を書くことで磨く」ということ。キケロは弁護士だったのだが、結構苦労したんだろうなぁ。その教訓は今でも生きているだろう。ならば、ぼくも書くことに精進しなければ。

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