日本語文法の謎を解く
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金谷武洋 "映画館を出て「ああ、楽しかった!」という時、何を主語に選んでそう発話したのだろう。「映画」だろうか。「私」だろうか。” 日本語に主語はない。この主題について、前作よりも柔らかい感じで話をすすめる。上の文は「完全な」日本語である。何かを将来したり、砕けた悪い表現であったり、ということは全くない。ということは、日本語には基本的に主語はないのである。 主語をもつ言語は、何かが主役である必要がある。それが人である。そして、人が意図をもって何かを「する」。それが印欧語の文法の基本である。その関係をもとに「文法」を作り上げたのだから、主語・述語は必要なのであり、主語、述語が文法の柱になる。一方、日本語はそうではないはない。自分とは関係なく「ある」言語である。その説明が余すところなく、この本でなされている。 人が文章の主役ではないので、日本語には他動詞が本質的に「ない」。一方、印欧語では他動詞が多く存在する。場合によると、他動詞の目的語を自分自身(再帰代名詞)にして自動詞をつくることがある。これくらい、人間の行為中心の言語なのである。いやはや、英語は面倒である。 |