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「みんなの意見」は案外正しい

ジェームズ・スロウィッキー
角川書店: 1600円
お勧め指数: □□□□■ (4)

 ある問題について、多様な人の意見を集計すると、大体妥当な答えになる。人が思うほど、衆愚というものは存在しないのだ。ちょっと面白い始点の話を、きちんと解説している珍しい本です。

 衆愚政治という言葉がある。普通の人の意見など、意味がない。頭の良い優れた人の意見に耳を傾けるべきだ。そいういう認識が存在する。いわゆる政治学の問題である。これまで数千年、そんなことを実現しようとがんばってきたようだが、結局一度も成功していないようである。まれに、一時的に目的を達成できそうな状態になっても、コアになる人が死んでしまえば、再び混乱になる。結局、安定して優れた人を排出する機能は人間社会にない。だから、困っている。

 多くの人を集めて意見を集計すると誤った方向にいく。実はこれは「多くの人の質」に問題があるのだ。均質な人をたくさんあつめても、集団思考という状態に入り、事態は悪い方向へと進む。
”意思決定者たちの世界観や考え方が似通っていると、集団思考に陥りがち”
”異なる意見を封じ込めるのではなく、何らかの形で異なる意見が合理的に考えてあり得ないと思わせる。”
”集団に共通している認識と矛盾するような情報は、度外視されたり間違っているとして退けられたりするので、人々は議論を通して自分の考えの正しさをますます確信するようになる。”

まぁ、結局、B29を倒すために竹槍訓練している人にむけて、「竹槍ではB29に届かない」と言わせるかどうかである。

私もよく経験する。頭の良い人の集団ほど、周りがばかだと思っているというシーンは日常茶飯時である。そういうくだらない集団からいかにして逃れるか。これは楽しく生きるために是非とも知っておくコツであろう。みんなの意見は「案外」正しいのである。そういうマインドをもって、人の意見を集計してみる視点を持つのは一つの方法であろう。

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