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ドミノ

恩田陸
角川文庫 552円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 なんとも「技」のさえる小説。小説でここまで書くのは大変なことでしょう、たぶん。ミステリー作家で同じような方法を試みた人がいるのか知らないし、ましてや海外の作品を知らないのでなんともいえないのですが。でも、たぶん、この作品はスゴイのだと思います。
 東京駅に集まってくる何人か(27人だっけ?)のそれぞれに別々の背景と動機を持たせ、それぞれの人の「事情」はそれぞれ面白く、それが最後に一ヶ所に絡まってくる。言ってみればそういうもの。人はそれぞれの事情で生きているということは、現実の世界では「あったりまえ」のことです。それを時間軸が一本しかない小説で表現するのは難しく、さらにそれを読む人の頭の中で処理できるようにするには相当難しいでしょう。そもそも、大勢の人がでてきて、それぞれの話を展開したら「わかんなくなっちゃう」はずですが、それぞれ際立った面白さがあるので「ごちゃごちゃ」にはならないように出来ています。

 読んでいて楽しいのですが、でも、私が小説を読む本質的な動機に答えてくれるか、といえばそうではありません。このタイプの小説になってしまうと、TVのお笑い番組よりもはるかに知的コストがかかっているのですが、でも、結果的に用途はそれと同じなんです、私にとって。小説は、自分の周りにはない違う世界の覗く方法だと思っています。だから、評価は(3)ですね。でも、言い本であることにはかわりないです。

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