聖書の生いたち
|
F・ケニヨン(山本七平訳) 山本書店の本で、山本七平さんの翻訳だから読んでみましたが、ピンときませんでした。秦剛平さんのような迫力がある解説とは違って、視点が一般向けではないからでしょうか。私の興味が聖書の中身にあるのではなく、考古学というか、世界を動かした本の起源というか、どちらかといえば情報の編纂と拡散の事例に興味があるからなのかもしれませんが。 こういう本は、「原点はどうなっていのか?」ということに動機があって解説されているのだと思います。しかし、原点に近寄れば近寄るほど「多種多様なものが存在していたことがわかる」ということになると、一体どうするつもりなんだろか。多くの自然発生的なものが自然淘汰され編集されて一つの本としてまとまっていたというところが現実だったりすると、原点を探すということは混乱を生んでいくわけで、そのとき研究者はどういう態度をとるのか。そんなことを知りたかったのですが、この本はその期待には応えてはくれませんでしたね。秦剛平の著書の方がよいと思います。 |