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インディアスの破壊についての簡潔な報告

ラス・カサス
岩波文庫(青427-1)560円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 南米アメリカに対するスペイン人が行った虐殺についての客観的な報告書。映画や小説よりも「怖い人」が歴史上たくさんいたし、そして今でもそういう人がたくさんいるのだろうなぁと想像さてくれます。コロンブスが新大陸を発見したあと、当然だが現地を探査し、領土を獲得、資源を搾取、原住民を抹殺あるいは奴隷化するというのは、人類史が記録されるまえからあったのかもしれません。とはいえ、ルネッサンスと呼ばれる時代においても、平気でヨーロッパ人はやっていたんですねぇ。キリスト教徒でなければ人殺しをしても平気だったはずのキリスト教司教バルトロメー・ラス・カサスという人が、スペイン人が行う虐殺行為があまりにもひどいので、スペイン王になんとか止めてもらいたいという動機でつづった報告書がこの本です。

 それにしても、高度な文明があったインカ、アステカは数少ないスペイン人に言いように殺戮されちゃいました。現地の人はスペイン人に食料供給などもてなしをしたうえでの殺戮ですから、まぁ、スペイン人が言い悪いというより、そういう考え方をもった人類なんでしょうね。同じようなことは、北米大陸においてのインディオについてもアングロ族、サクソン族が行っていますから、まぁ、ゲルマン族、ゴート族など「蛮族」とくくられる人は、現在でも洋服を脱げば何も変わっていないのでしょうね。おおこわ。

 ただし、結局のところ、武器がないから言いように滅ぼされたインカ・アステカから何を学べばいいのでしょうか、私たちは。マキャベッリの言う通りなのかなぁ。歴史において殺戮の実積がある人たちと付き合うときには、「ハードウエアの人間としては2万年変化していない。おそらく、同じ状態になれば、同じ行動をとる」ということを忘れないようにしておいたほうがいいですね。

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