ローマ世界の終焉
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塩野七生 古代ローマはどのようにして歴史から消えていったのか。終焉していく様子を扱った最終巻。古代ローマがあっけなく消えてなくなってしまったという記述をするこの巻、それに負けないくらいあっさりしている。ちょっと物足りない。私としては、「古代ローマはなぜ滅んだのか」にたいする一定の見解のようなものが最終章に名残惜しく書かれるのかと期待していましたが、ありませんでした。実にあっさりです。「なぜ滅んだのか」について、「こうこうこうした理由でした」などと書けないから15巻も費やしたのですから、そりゃそうです。無理やり「こういう理由です」と言い切れば、その言葉で表現されえないことがこぼれ落ちてしまい、いや、こぼれなかったことが少なくなってしまう。全部読んで、よく考えればそれなりの答えが頭に浮かぶだろう。そういうことです。私は浮かんでいますが、果たしてそれが妥当なものかどうかはわかりません。残念ながら。 この物語を通して読んでみると、わたしは9巻10巻のあたりが一番好きです。そして、それは古代ローマ世界を通して考えてもピークの時代ですね。ピークにはすそ野が必要で、来し方と行く末が必要。どこにピークがくるのかは、ケースバイケースなのでしょう。人と同じです。 今度は文庫本で最初からじっくり読んでみたいと思います。 |