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ヒット商品を最初に買う人たち

森行生
新潮社 700円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 久々に森さんの本を見かけた。「私の視点」というWWWページを作られている方で、「マーケッティング」って面白いなぁということを実にあっさりと教えてくれる。ただし、考え方、現象のモデルを教えてくれるだけで、マニュアルを期待したらがっかりするかもしれない。

 例によって、イノベーター理論、プロダクト・コーンの話。簡単に言えば、売れる商品にはそれを買ってくれる人たちの動きに一定の法則があり、その人たちの特性を見据えればその商品がどのように受け入れられていくのかというモデルを紹介するだけの本なのだけど、概念を分かりやすく説明するための例題に「ヘルシア緑茶」などの実例をリアルに語ってくれるのが面白い。もっとも、実例はすべて「事後」のものなので、理論が当たっているのは当たり前なのだが。

 この本の内容は完全にマーケッティングなのだけど、なぜ理系研究職の私が魅かれるのかといえば、「研究だって、同じだろ」と思っているから。真実を明らかにする、という命題と殉教するタイプの研究者ではない不埒な工学系は「何が面白か」を常に探している。その際、何を問題として扱うのかという視点を探すときには、「なんだ、マーケと研究は同じじゃねぇか」と思ったので、それいらいこの人の発言には注目しているということなのだ。

 ちょっと残念なのは、この本は前作「シンプル マーケッティング」を越えていないということ。新書だからあたりまえかな。それに、モデルはすでに分かっているし、より詳しいモデルをさがしても実際のマーケッティングには関係しなから、新しい物を競って勉強する必要はないのかもしれない。

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