つっこみ力
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パオロ・マッツァリーノ パオロさん、さすがっす。この人のように切れがあり「わかりやすく」社会を説明してくれる人は滅多にいません。少なくとも、私はあったことがない。本の中だから話を聞くことができるんですね。だから本が好きになります。 さて、例によって世間に流布している「社会学的な」あるいはマスコミ等で評論家が解説しているような内容に対して、「それはちがうだろう」という説明です。全く普通の人の視点からの解説なので、「こんなことは知らんだろうなぁ」的な解説にうんざりしている人ならば感動してしまうのではないでしょうか。 いろいろ事例があるのですけど、今回一番納得したのは「なんだかんだいっても、結局面白い話でなければ人は受け入れないのですよ」という人間の原理の説明でしょう。マスコミが中心になって広げる「おかしな」理論がありますよね。有明海の問題とか、環境問題とか。ああいうものについてどんなに「正しい、論理的な」見解を社会の人に示しても効果ないんですよ。なんだかんだいっても、「インパクト」がある、あるいは、「それって面白い」ストーリーになっている方を世間の人はとるのです。それは社会の成熟とかとは関係なく「人間ってそういうもの」っていう感じなんですね。そんな悟りのような解説がこの本に載っていまして、大変勉強になりました、私には。 間違っているときに「間違っている」と上からの視点で指摘する、あるいは怒る。こういう態度はやめましょうよ。誤りの指摘って、それが「つっこみ」にならないならしなくていい。なぜなら、誤りを受け入れるってことは正しいことを求めている場合だけであって、世間は正しいことではなく「面白いこと」を受け入れますから、野暮なんです。つっこみを生かして、間違いを笑わせるタイミングをつくれるのならば、あるいは、それによって自分にとっておいしい場合だけ指摘すればいい。そうでもない限り、誰も得しないから。そういうスタンスを教えてくれる本です。 |