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クリティカル・チェーン

エリヤフ・ゴールドラット
ダイヤモンド社 1600円
お勧め指数 □□□□■ (4)


 生産スケージュール問題におけるTOCの考え方をプロジェクト・マネージメントに適用する活動を例にした小説なのだが、そういう背景を忘れても「小説として」十分成立している。理論を具体的な言葉で説明することに長けた人の話は、聞いているだけで「分かった」気になる。単に、小説を読んだだけに近いのだが、勉強してしまった感じがする。

 TOCについては、『ゴール』を読んでもらうのが一番よい方法でしょう。単語による定義を記憶するよりも、人の活動を通して「全体として」TOCの意図を理解できます。その、TOCですが、生産管理の現場以外にもいろいろ適用範囲がある、と著者は語りたいようです。というか、いくつかの工程を順番に実施してくか、並列に実施していくか、というモデルに置き換えらるプロセスはTOCが適用できるのですね。それを、「プロジェクト・マネージメント」という問題に適用してみました。「クリティカル・パス」が「クリティカル・チェーン」という概念に拡張されて説明されています。

 あるものごとを見る別の見方が提示されています。物語のなかにふんわりと入れているのですが、著者からの明確なメッセージであろうと思います。例えば、相反する必要条件を解く一つの方法に、オプティマイゼーション(いわゆる最適化)があります。この本では、「あれは、最適化ではなく妥協だ」といっています。よくありますよね、相反する要求を満たすには両者を天秤にかけた「トレードオフ」が必要になる、というような話を。そして、どのようにトレードオフするかは、何かを「最適に」するような方法をとるのがよいというが一般に信じられています。私もそう思っていましたくちです。しかしです、この本ではちがいます。それは、「相反する2つの必要条件を受け入れるのではなく、そもそも2つの必要条件がおかしいのではないか?」と疑ってみよと勧めています。なるほど、よくよく考えると矛盾する必要条件なんてとる必要はない。良く考えれば、べつの必要条件のセットがとれ、それらは矛盾しないものを選べることがあると。

 TOCの考え方に関係するのですが、おかしなものはもう一度前提を疑ってみたほうがよいということです。そもそも、活動の目的は何か? どうすればそれをみたせるのか?(スループットを上げられるのか?)ですね。コストを下げる、競争に勝つとか、そんなのは目的たりえない。ちょっと、自分の普段の行動にも適用したくなります。

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