文学賞メッタ斬り 受賞作はありません編
|
大森望・豊崎由美
このシリーズは前のものも読んでいて、そこでお勧めだった小説を買ってみたが、全部あたりだった。だから、今回もお勧めは購入してみた。中原昌也「名もなき孤児たちの墓」、佐藤多佳子「一寸の風になれ」。書店で平積みされていたので、きっとおもしろいのでしょう。だからといってすぐに買うことは普段はないのだけど。 この本には「小説が読める人」という表現がでてくる。文字を読み、内容を理解するというレベルではなく、言葉で表現されているものの意図のようなものまで自然と感じ取る能力についてなのだろうか。そういえば、須賀敦子かだれかの言葉で「まだ、読めてない!」と生徒を叱ったことについての話があった。読めている、というのはずいぶんと難しいことらしい。クラシック音楽好きの人が演奏家ごとにその違いを聞き分ける能力に近いのだと想像するが、そこまで聞き分けられるとよいのかわるいのか。小説読みも同じではないか。 |