塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック
|
新潮社出版企画部編 『ローマ人』が終わっても未だに余韻が残っている人は買ってしまうでしょう。これまでの要点をビジュアルに紹介し、対談とインタビューで構成された本です。面白くしようという編集者なりのサービスも含まれているのですが、それはちょっと子供っぽい感じがするものでしたが。 15巻あったはずですが、この本で印象深いトピックを1,2ページで紹介されると内容を思い出します。ローマ人については1度ずつしか読んでいなくとも結構覚えているものです。数行の引用でもその巻を読んだときを思い出すことができます。そこで思うのです。15巻あって、それの内容をあれこれ考えながら、そして感心しながら、書いてくれた塩野七生に感謝しながら読んでいたらずいぶんと時間がかかりますが、それでも一瞬で思い出せる。頭の中に入ったものは一瞬に前後左右、連想を含めて視点を移動できます。自由に散策することができる、という感じです。すると、15巻あっても短い気がします。あっという間に読んでしまった、という間違った印象すらもってしまう。記憶って面白いです。そして、それが勉強するって面白いという本当の意味です。これで、人生みたいなもんです、多分。一生かかって体験したこと勉強したことを頭の中では一瞬で泳げるのです。そして、最後に「人生はあっという間だった」と感じる。 もう、塩野七生の物語を読めないのかと思ってすこしがっかり。でも、そんなことないことに気付きました。確かに新しいものは読めませんが、それでも「読み返す」ことができることに気付きました。いや、アホかと言われるでしょうけどが、全体のイメージは覚えていても一行一行は記憶していません。好きな映画は数回程度の繰り返しならば十分面白いです。映画は2時間ですが、本は時間がかかります。塩野さんのローマ人をまだ1から読んだとしても結構時間がかかる。ならば、まだまだ楽しめるということです。 ローマとフィレンツェへ行った人は結構いるでしょうけど、レプティス・マーニャやティムガットといった北アフリカの遺跡、コンスタンティノープルやパルミラなんかへ行った人は珍しい、というかほとんどいないでしょう。私も行って見たい。行けるかどうか、これは運次第ですが。でも、そしたらもっと面白い気分で本をさらに読み返すことが出来る。要するに、この先でも状況を整えれば「読むものがない」とはならない。 本との出会いは財産ですね、本当に。 |