まひるの月を追いかけて
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恩田陸 奈良を歩きながらあれこれ考える。初対面の人と自分の異性の兄弟のことについて。コースは奈良の観光名所で、ところどころに印象的な風景をいれてみる。一番良いであろう時間に主人公たちはたたずめるのでうらやましい。行ってみようかとこの本を読みながら考える。『夜ピク』のような味わいがある。 恩田ワールドは引き込まれると最後までふわふわとその世界にいつづけることになるが、最後が良いもの悪いものがある。夜ピクは良かった。この小説の場合はどうだろうか。私はちょっと物取りない気分がした。恩田ワールドでは最後に落ち無し、という場合もあるのだから、それに比べると良いとは思う。だが、結末はあり得ないでしょ。そういう気分になる。恩田陸、男心は理解していないようである。ただし、編集者はそれを察知したらしく、解説者で落としてくれた。 『鹿男』も奈良だった。最近奈良が注目されているのか。奈良駅から奈良公園に向かう商店街でなんとなくやられてしまい、あまりよい印象を持っていない土地である。就学旅行はバス移動だろうから、街そのものを歩くことはほとんどないであろう。それでも、小説家にとっての場所設定は大切なことであろうし、読者が雰囲気くらいは知っている場所にすると良いことがあるのかもしれない。 歩く小説をかく前に、作者は一通りその土地をあるているのだろうか。今日は7時間歩いた。そういうセリフが小説にでてくるが、そんなに歩いた後は、ただ宿で倒れるのみではないのか。想像では移動は一瞬なのだが、体を使うと結構しんどい。この小説が弱いとすれば、落ちそのものよりも、身体的な感覚が伝わってこないことかな。 |