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インテリジェンス 武器なき戦争


手嶋龍一+佐藤優 幻冬舎新書 740円

ラスプーチン、ラスプーチンと呼ぶ言葉の裏に嫌みを感じる。
お勧め指数 □□□■■ (3)


 ともに実際の外交シーンで重要な情報を交換しあう、あるいは、それをし得る情報を持っているもの同士の対談である。手嶋が「ラスプーチン」と呼ぶときになんともいえぬ感情の奥底にある嫌みを感じてしまう。素直に言えばいいのに。内容も「実はあの時・・」とか「ああしなければダメだ」という話が多く、佐藤優のロジックからなにがしかを学び取りたい人には物足りない感じがする。というより、手嶋の話が夾雑物のように感じてしまう。なぜだろう。両者ともに重要な仕事をしてきたし、手嶋は『ウルトラ・ダラー』とうベストセラーを出した人なのに。外交官と記者という昔の立場の違いがうめられていないような気がする。

 この本でとくに気にいった一説はこれ。


佐藤 それから、インテリジェンス・オフィサーになる人間には、現地で怪しまれずに情報を収集するための擬装(カヴァー)の訓練を受けさせなければいけないのですが、その際、インテリジェンスの仕事を辞めても食べていけるような専門技術研修でみにつけさせることが重要です。ジャーナリストとか、料理人とか、古書店の店主とか、職業何でもい。先ほど言ったように、インテリジェンス業界の人間は国家元首は情報機関のトップに認知されたいという欲求が強いので、政争や組織内の人事抗争に巻き込まれる事も少なくありません。そうなったときに、組織にしがみつくしかない人間は、生き残りや復讐のためにめちゃくちゃな事をやるんです。しかし、別の職業で生きていける道が担保されていれば、その被害を最小限に出来ます。

 少なくとも外交官の人が全員こうであれば、おかしな事にはならない。首になったら高額な給料を貰えるはずがないと分かっている人が、ただ組織にしがみつきおかしな事をするのだろう。この人は実際それをたくさん見てきたのだろう。

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