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太陽の塔

森見登美彦 新潮文庫 420円 お勧め指数 □□□■■ (3)

 京大生の内面を垣間見る物語。暗いんだか明るいんだか良くわからないキャラに見えるが、他人に迷惑をかけてないし、誰も死んでもいないし、徒党を組んで騒ぎを起こすわけでもないので「明るい」方の主人公だろう。読んで嫌な気分にはならない。

 最近高校生、大学生の男子が主人公の女性作家の小説を何冊か読んだが、そんや奴いないよと言いたくなるものばかりだった。小説としては面白けど、女の人からみる男の人ってどうして空想的なんだろう。一方、今回の主人公の男子大学生はさすがに男性作家(当時大学院生だった)が書いただけあって、そういう人いるかもと納得できるものだった。しかし、女性の登場人物が(ちょっとしか出てこないけど)何を考えているのか本当にさっぱりわからない感じがした。これは小説なんだから誰の考えをも見通せるはずなのに、読者である私も女登場人物が何を考えているのかわからんという主人公と同じイライラを共有してしまう。逆に、女性ならばそれがわかるのかもしれない。その意味で良く書けた小説なのか、それとも本当に女性の心理や行動までは作者は単に書けなかったのかどちらなのかは分からない。

 読んでみれば他愛もない妄想なので、読んでなにか得るものはあったのかと言われると心もとない。単なるファンタジーを読んじゃった。気分的な余裕がある人は愉快に読める一冊だろう。

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