中学生でもわかるアラブ史教科書
アラブってなんだろうか。新聞やTVのニュースは何かを煽ることが目的なので「そもそも」論的な解説はなされないのが普通。最終的にはアメリカがどうしたとか日本はどうするとかいうことが扱われ、アラブってなんだろうかということを全く理解しないまま記者は記事を書き、アナウンサーは記事を読み上げる。そういう状態は石油ショックの時代からあまり変わっていないのだろう。だから、この本の価値は大きいのだろう。出版してくれて有り難い。 イスラム教ってみながみんな自爆テロをするわけではない。一部の宗派が全体の説明なってしまっている。その愚かさを指摘する解説があった(本文P27ページ)。 考えてみれば、義務教育の範疇で現代を学ぶことは「実際問題」ない。歴史の授業は古代からはじめていくので、たいてい現代までたどり着かない。また、現代史が「テストにでる」ことはないので、まずもって学生は「切る」はずだ。だから、昭和史さえろくに知らない状態であって、そんな人が中東情勢など知り得る機会などない。そこへもってマスコミのインチキな報道を「うのみ」にすることになる。そういう構造の中に自分たちはいる。山本七平のように「ご参考になれば幸いです」という姿勢で、学術的にも裏付けがあるレベルで物事を教えてくれる人は滅多にいない。そんな人の中東史のガイドがあった。それを発刊してくれた。実に私にとってはラッキーであった。 |
