象と耳鳴り
『9マイルは遠すぎる』は面白かったので、同じような小説を選んでくださいとお願いしたらこの本を渡された。恩田陸作品にも短編ミステリーがあるらしい。何でも、嫁さんはお気に入りの作品らしい。早速読んで見ると、ナルホドそれが伺える。9マイルのような短編を書いてみたかったのなんだと伺わせるものばかりか、作品中に9マイルが出てくるものがある。面白い事に、さすがに古さを感じない。やはり、9マイルは古いようだ。 この作品の中で、都市伝説を扱ったものがある。あれが一番面白かった。都市伝説を研究する社会学者がいるが、ああいう物のインチキさを妙に納得させてくれるものだった。都市伝説の由来をミステリーのごとく解説するだけの学問である。あれは、証明しようがないので科学ではない。アマチュアがミステリーについて蘊蓄垂れるのと、さして変わらない。そんな事が透けて見える作品であった。 もっともらしい仮説を並べる事で専門家と評している人は、テレビをつければいくらでもいる。野球の解説だって同じようなものだ。そういうものとの付き合い方が分かった。ミステリーファンだと思っていればいいのだ。それなら、腹も立たぬ。 都市伝説を扱った恩田作品が再び現れることに期待する。 |
