古寺歩きのツボ
日本の古い寺に観光で行ったとする。さて、一体何を見ればいいのか。普通の人はそう思うだろう。古刹とあっても、確かに古い木造建築物だなあとか、仏像が並んでるなぁとかいうのでは面白い筈がない。知識がないと「物事を見ることもできない」という良い例なのだが、普通の生活をしてきた日本時ならばそんなものをもっている筈がない。それて、それが誰かの責任というわけでもない。 この本は、そういう場合に「何を見ればいいのか」を指南してくれることを目指したものである。うーんまぁ、そうなんだけど、どんなによい視点を教えてもらっても、土台となるものに興味を持てなければ企画自体が成立しないような気がする。そんな感想をもった。 なぜ、寺には棟があるのか。それは何を意味しているか。仏像にはどんな種類があり、配置によって表現していることが違う。仏教の歴史的変遷と日本の歴史との関係について、古寺を回ることで気がつくことがある。などなど、いろいろ書かれている。なるほど、なるほど。そう思ってみて半分くらい読んだところではたと気付く。ギリシャ美術、ギリシャ哲学の授業を聞いているような気分だ。その疑問をかいつまんで言えば、「それが、おれとどういう関係があるのさ」である。 当然だけど、自分の経っている位置に興味を持ち始める中年にでもならないとこの本の紹介を楽しめるようにならないのかもしれない。時間がくれば誰でも興味を持ち始めるのだから、私がいまここでこの本が面白くないといっても的外れだ。 |






