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言霊

井沢元彦
祥伝社 NON POCHETTE 480円
お勧め指数 □□□□□ (5)

 なんだかよく分からなかったことがあるキーワードによって真っ青な空のように理解できることがある。それを「補助線」という比喩をつかう。
 日本の普通の生活において、マスコミやら世間やらにおけるタブーの根源をこの言葉で理解することができる。それが「言霊」である。言った事は現実化する。いや、言わないよりも言ったときの方が現実化する可能性が高くなる。
 幽霊だの宇宙人だのに興味を持たない人でも、言ったら現実化する可能性が、全く無視するよりも高くなるような気がするというような「感覚」はもっているのではないか。ばりばりの理科系だと本人は思っている私ですら、「言霊」の意味を知るまでは思っていた。

 だから、日本史では不可解なことがおきるし、日本軍はおかしなことをするし、いまでもマスコミや役所はおかしなことをする。口する、発表する、そういうことはつねに「現実化するかもしれない」というタブーに近い感覚を共有している日本では、言葉にできない。いまでも言霊が生きている。
 山本七平のとく日本教や員数主義、あるいは三島由紀夫が主張していた内容とその結末が井沢さんの補助線でよくわかった。

 一つの補助線を見つけると、今後似たような問題に接することがあれば、まずは使ってみるほうがよい。新聞のたて吊り広告もこの補助線でいろいろ楽しめるので今からワクワクする。

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