バランスがとれた読みやすい啓蒙書。環境についてあまたある議論のなかで、この視点で書かれたものは他にないんじゃないかと思う。エコロジーについて、心情的な賛成でも偏見的な反対でもなく、リアリズムに徹した視点で発言するとこうなるのだろう。観念ではなく現実を相手にした本。
環境論を扱っているはずなのだが、そもそもなぜ人が環境との共生やエコロジーということを主張するにようなったのかから話を起こしている。
要するに、「みんな未来が不安で、現実に満足していない」という視点から考える。だから、養豚場の豚のように成長過程で一度も「振り向くことがないような人生」を送っているという仮説を提示し、現在社会の都市における普通の人の生活を考えてみて、どうすれば「不安を軽減し、満足を得ることができるか」を論じている。
一見、エコロジーとは離れているような気がするのだが、実はそれがかなり有効な方法であろうということが後半になって分かる。
この人の主張はマスコミでは正面からとりあげられないだろうな、と思う。こんな考え方があることを知るには本を読むよりない。なんのためのテレビなんだろうなぁと思うが、それも仕方ないか。
この著者はペットボトル再利用は環境に悪いという主張をされている人。本も読んでなっとくしていたのだが、この本を読んでいて別の意味での理解を得られた。
そもそもペットボトルは使い捨てをするためのギリギリのデザインなので、それをリサイクルするというのは設計意図に反しているな。だったら、別の設計にしたものをリサイクルにするのが自然だ。
素人のアホな思い込みが、現実も事実もしらない人の思いつきが、なぜ法律になってしまうのだろうか。