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物語 イタリアの歴史2

藤沢道郎
中公新書 777円
お勧め指数 □□□□■ (4)

 イタリアの歴史の物語といえば塩野七生さんの一連の著書が有名で、それ以外は教科書か研究所だからつまらんものばかりだったのだけど、この本の「物語」はかなり面白く読めた。なぜだろう。ハドリアヌスからカラバッジョまでと扱うタイムスケールが長いのでそもそも出来事の記述になりようがない。となると、ときどきにスポットをあてた人について語るよりない。

 古代ローマについては塩野さんの作品が頭にある。キリスト教が影響力を強めていく時代にキーになったのは「アンブロシウス」ということで、コンスタンティヌスのあたりにの記述を覚えている。この本hで、それよりもう少し後の「グレゴリウス」に光を当てている。なるほど、キリスト教のターニングポイントの一つを仕掛けた人なのだとわかる。

 さて、どうしてこの本が面白いのだろうか、ともう一度考えてみた。特定の自分物にスポットを当てるという方式の記述は過去にもあっただろうけど、この本は少し違う。読んでいてわかったのは、視点の問題だ。

 現在から過去の人物の行動を記述しているのだから、その自分が判断を行うときその結果を私たちは知っている。それが良かったのか悪かったのか、そのとき他の場所では何が起きていたのか。歴史が好きな人はそれを知っているし、それを説明したがる。

 しかし、それは物語にならない。その登場人物がどういう状態にいて、何を知っていて、どういうことをしたかったのか。読者がその人の視点を共有できるように記述されていれば、読者も一緒にワクワクできる。しかも、その登場人物を仲間のように師匠ののように感じることができる。おそらくは、面白い物語になるかならないかは、それに係っているのだろう。そう思って塩野七生さんの本をみると、ちゃんとそういう視点で書かれていることに気付く。

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