般若心経入門
ひろさちやの本は好き。エッセイとして仏教の知恵を語ってくれるからだ。辛気臭くもなく、説教臭くもない。「なるほどなぁ」をおこさせるような話をする。上から下という感じがしないので、素直気に耳を貸せるのだ。それに、仏教の知恵を語る際に他の宗教の知恵で同形のものを示してくれるので、人の考えることは同じだなと思いながら納得できる。 ブックオフで100円コーナーで目に付いた。なんとはなしに購入した。偶然がおきたのか、購入したその日に大学時代の友人の訃報があった。3日後通夜のために四国へ行った。行きの飛行機のなかでしみじみ読んだ。家族のような「悲しい」感じではなく、なんかもうあえないなぁという無色の感情があるだけだった。 照見五蘊皆空 度一切苦厄。なるほど、そういうことか。言葉だけではよくわからんものだが、社会の出来事を言葉にしたことだけあって、ぴったりに事例に遭遇するごとにこの意味が明確になってくる。例えば、青春物語などでは今でも「諦めるな」というメッセージを送っているが、それは自分の側に原因があることと、どうしようもないこととの見分けがつくようになってからでないと「不幸」を増長するだけのような気がする。どうしようも無いときがある。死んでしまう、というときなどに。 災難に逢時節には、災難に逢がよく候。死ぬ時節には、死ぬのがよく候。是はこれ災難をのがるるにて候。 じいさんの慰めだと思っていた良寛さんの言葉も、なるほど人知を超えたものに対する恐れについて理解した後ならば、よくわかる。 というわけで、この人の本は見かけたら買うことにした。 |
