無責任のすすめ
出張があった。ロスだから観光ルートだし、目的地もヒルトンホテルだから経路上に不安はまったくない。遊びでいくよりも気が楽なものだ。だからだろうか、いつも飛行機では塩野七生を何冊か読むことにしているが、今回は成田空港のツタヤでこの本を見つけたのでまずはそれを読んでみた。わりと余裕があるシートだったので、最初の食事をはさんでの時間で読めてしまった。なんてことはない、いつものひろさちやらしくない本だからすいすい読めちゃったのだ。 ひろさちやを読むときは大抵疲弊した気分なので、気分にしみるような言葉があるとじっくり立ち止まってしまうことがしばしばなのだが、この本はどちらかといえば政治批判だからそういうところがなかった。いつもは読者への語りかけなのだが、この本は政治批判なので読者への語りかけはどちらかというと少ない。「あなたは何も気にする必要もない。今のダメな状況はまずもって責任を取るべき人間がすべてそれを放棄していることにも問題があり、普通の人はなんら気に欠ける必要はない。」という呼びかけなのだ。 それはそうだ。普通の人に何を反省しろというのだ、とぼくも思っているので読んでいてよどむところがない。だからといって、役所の周りを抗議デモするつもりもないが。どうやったって、ダメなんだろうなぁと、もはや諦めているのだ私は。 でもなぁ、そういう本じゃない本を読みたいのだ。政府や社会は個人ではどうにもならなん。そんなのはすてておいて、何を考えて生きようかというような思索を読みたいのだけどなぁ。 |
