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幸せになる力

清水義範
ちくまプリマー新書 700円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 少し疲弊した気分になった日の帰り道、乗り換えの駅にある本屋で電車の中で読む本を物色していたら、幸福論が目に飛び込んできた。著者は知っている。大丈夫、へんなスピリチュアルなモノではない。ちょっとした考え方というかアドバイスがあるのだろうと思い購入した。

 幸福論というようなタイトルの本を買うのは30代から50代までのサラリーマンだろうから、想定読者もそういう人だろうと思っていた。が、どうやら子供から中学生、高校生くらいだったようだ。すこし諭されるような語り口なので、ちょっと場違いな講演会に潜り込んでしまった感があった。が、まぁ、きっと何かヒントがあるだろうと思って読んでみた。

 「幸せの形は数えきれないほどあるんだ。どれか一種類の生き方だけが幸せだなんてとんでもない。」

 「ビリでもいいけど、それなりにレースを一生懸命やってね」

 柔らかい感じをうける子供の挿し絵とともにこういう言葉が覗いている文章だから、想定内の内容である。新しい知識や変わったものの見方がどうやらえられそうもない。と、まぁ、元気なときはそう思うだろう。ところが、ちょっと考えてしまったのだ。今考えていることは、この言葉が解決策であり、もうすっかりわかっていたことじゃん。

 いくつになっても面倒なことがあるものだが、まぁ、結局のところ、それなりにやるよりないではないか。そういう言葉をまじめに言ってくれる人がいるならば、その人は幸せだろうなと思う。

 ちょっと疲弊したときは、無理しないで家でお気に入りの音楽を聞きながら、お気に入りの紅茶でもすすっていたほうがいいだろう。結局、なんの癒しもえられないのだが、それはそれで仕方ない。

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