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生きがいへの旅

森本哲郎
角川文庫 340円
お勧め指数 □□□■■ (3)

 また森本哲郎の本を手にしてしまった。定価は安いが30年前以上前の値段。1970年時点で1960年の日本に生きている日本人が日本について思索するというエッセイ集で、旅をしてに出かけるという本ではない。また、自身が主人公のフィクションでもない。こういう風に思索できればいいな、という哲学の見本を見せてくれている。英語とフランス語があれば、大抵の国にでかけそこで友達を持つことができるのだな、とちょっとうらやましくなる。

 4部構成だけで、時を立つのを忘れるくらい面白いのは1部。ベトナム戦争についてはとくに勉強したこともないし、とくに興味をもって調べたわけでもないからよく知らないが、当時ベトナムで記者をやっていた視点からベトナム戦争を語ってくれている。これを読むと、アメリカはいったい何をやっているのかよくわからなくなる。人の家に土足で踏み込んであれこれ指図しようとして、その家の住人とケンカになる、というイラク戦争のようなことをしていたのかと思う。イラク戦争は要するに石油を確保したいがために手の込んだ芝居をしているのだけど、それはベトナム戦争の失敗から学んだこそくな方法なんだなと知った。

 2部から4部までは、純粋な思索である。ちょっと高度な感じがする。お気楽に読んでいたら疲れてしまった。とくにその自体の日本とつよくリンクしているような気はしない。今でも問題なく議論できるような内容である。ぼくにとってはもうひとつ面白くない。通勤電車では辛い。

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