したたかな生命
生命はロバストなんですよ。そういう説明があったとしも、ロバストってなんだろうと疑問に思う人がいるだろう。そういう人が読むと面白い本だ。生命にもロバストという言葉にも興味を魅かれないならば、あまり面白くないだろう。とくに、後半の話は堪え難い。だから、進化とかシステムとか、あるいはメカニズムといったことに漠とした感心がある人ならば最後まで読み通せるだろうと思う。ぼくは、行きの電車で読めてしまった。 ただし、だからといって濃い内容があるわけではない。フォントが大きいし、余枠も大きい。これ、新書になるんじゃないかと思うようなものだ。悪気があって言っているわけではない。単に、1600円ではなく半額で読めるようにしてくれたほうがいいのに。まぁ、商売だから仕方ないけど。 書名はロバストを頑健性としないで、むしろ逆のニュアンスを持つしなやかということばを全面にだした。しやなかな生命、という言葉では何をいっているのか一瞬わからないが、状況が変わってもそれになうべく着いていけることで結果的に生き残れるようなメカニズムというもの大抵の生命はもっている、といいたのであろうと思う。 何かスゴイ仕組みを発達させると、その仕組みが「効果を発揮する」状況に生命が進化してしまい、過適応してしまうことになる。地球上の状況などはよく変わるものだ。だからこそ生命はどうころんでも生きていくようになっている。それを参考にして「システム」を考える。つまり、生命のアナロジーでシステムを見ていくと、生き残った良いシステムはロバストな点がいろいろ見えてくる。ここのものよりもモノ、機能との関係を築くことや階層化していくことの意味が見えてくる。そういう視点を教えてくれる。 この本は共著になっているが、どういう作業をしたのだろうか? 議論を文書にし直したところか? 一般の人向けにするような部分なのか? そういうどうでもいいところが気になった。 |
