猫と針
恩田陸の小説は基本的に思索が中心である。主人公があれこれ考える、それが面白い。高校生が歩いているだけで『夜のピクニック』が成立するくらいなのだ。 では、芝居にしたらどうなるのか。『チョコレート・コスモス』という(ぼくが思うに)最高傑作も主人公の思索が面白いのであって、あれを主人公の外側から見える行動や発言だけで表現したら実につまらないものになってしまうだろうと予想する。となると、この芝居も恩田色をもった作品にしたら何かが抜けてしまうのではないかと思った。ただ、こういう公演はチケットがとれないだろうから、結果的にどうなったのかはわからないままだったのだけど。 この本を本で見て恩田色があったのでちょっと驚いた。まぁ、短い作品だけど芝居にする以上しかたがない。それに、登場人物がカタカナだったので、発言がだれがだれやらこんがらがってしまったところもある。芝居ならばそうならないのだろうけど。 |
