アップルの法則
アップルのモノづくりの姿勢がよくわかる。読んでいると、胸があつくなるような感情がわく。自分にはアップル製品に携われるチャンスはなかったけど、マスコミの宣伝や人の噂などと関係なく、「うん、これはよい商品だ」と判断したものの背景に、しっかりした「考察」があることがうれしい。つまり、非常によく考えられた製品であることがうれしいのだ。 物事はよく考えられていくとシンプルになる。まさに、今のアップル製品のことだ。この本にも紹介されているが、ジョナサン・アイブも「もっとも、シンプルなデザインは、見れば『これだ』とすぐにわかるが、そこにたどりつくまでがなかなか大変だ」と語っているそうだ。思いつきはだれでも出来るレベルかもしれないが、そこから考えに考えて線を引き、消していくうちに形が見えてきて、最後にシンプルな解が発見される。ぼくがやってみたい仕事でも、この考えは使えるちがい。いや、大抵の人だって、考えて考えて行動すれば、シンプルな解をその分野なりに見つけられるのではないかと思うのだが。 この本でなるほどと思ったところ。それは、「できない理由ではなく、やるべき理由、実現方法を考える」という章。出来ない理由は当然たくさんでるが、それをどうやればできるのかを考えようというようなことは、大抵のビジネス書に出ているし、大抵の人はそうやっていると思って全くやっていないのだが、アップルの発想からいえば、「なぜ、それをやるのか?」をまず考えるほうが大切なのだそうだ。それはそうだ。その結果、それをやる理由が固まれば、出来るできない論をする必要がないではないか。
なるほど。なぜ、それをやるのかをもっともっと考えろ、ということだ。それが不十分だと「だめな理由」に負けてしまう。 しかし、それはある意味当たり前のことのような気がする。もし、ダメな理由によって企画が潰れたというのならば、そもそも企画について考えが足りないだけのことかもしれない。数の勝負でいうのならば、感ではなく、論理的に「やるべき理由」を考察し、その量で畳み込んでいくような作業が必要なのだろう。
理詰めてつきつめたものを人の感情に訴えるまで美しいデザインに昇華する。 こういう作業があると素晴らしい製品がつくれるのだろう。それは、デザイナーがスゴイとかいうレベルの問題ではないことがよくわかる。 せっかくの人生なんだから、こういうことを(自分なりにだが)やろうと思う。やる気がでる本であった。 |
