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十牛図入門

横山紘一
幻冬舎新書 760円
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 BOOKS SAGA

 疲弊した自分のまま帰りの電車で読む本を持ちわすれていたので、駅構内の書店でこの本を購入。いまの自分にはなるほどと学ぶことが多い良い本だった。宗教という過敏になりやすい言葉を忘れれば、仏教は心理学的に落ち着きやすいものになるのは確かなのだから、こういう本がもっと出回ってもいいといいだろう。

 十牛図は自己を探し、飼いならし、自らのものにし、そして周りの困っている人を助けられるようになる様子を10枚の絵によって表現したものだそうで、古くからあるとか。この著者がもともと科学者だったためなのか、ぼくはしみ込むようにその説明を理解することができて、新書ってのはこうあるべきだなぁと感じてしまった。

 日常において避けられないいろいろなことについては、おそらく過去からずっと似たような問題を人は抱えていたのだろうから、今でもこの十牛図の意味するところが理解できるのだろう。人は変わってないなーという思うのか、変わりようがないと諦めるのか。どんなに社会が成熟しようともよい教えがあろうとも、人は生まれてきたときはゼロですから、まぁ、この先も大きく変わることはないのかもしれない。というか、変わるのだったら、とっくに変わっているのだろう。

 たった十枚の絵だけど、それを必要とする人にとっては実に学ぶことが多い。面白いのはこの本が今新刊で出版されていること。おそらく、社会においてこういうものを必要とする人が多い、ということなんだろうと思う。意外に同じような気持ちで世間の人は生活しているのかもしれない。


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