もうろくの詩
森毅の新刊がでているとは思ってもいなかったのでビックリして買ってしまった。さすがに最近はマスコミにも登場しないし、エッセイも書く機会がすくなくなったのだろうと思っていたが、数年分の機会を一気にまとめたものようだ。 本は面白い。読んでいる側からは、著者の年齢を直接感じることができないから。直接あったり、テレビやラジオなどを通すと、年齢は姿勢にも肌やシワにも声にも所作にも受け答えの速度などにもはっきり現れる。しかし、エッセイならばそれがわからない。森毅のエッセイは昔からのんびりしていて、下目線のところが皆無だったからかもしれないが、話題が親しい友人の死の話であっても、くらいものを感じさせるところがない。おそらくだが、本人はくらい生活をしてないのではないかと思う。 ぼくが浪人しているときときに出会った『サボリ流数学のすすめ』を読んだことが、本というものに興味をもつきっかけとなった。本と、しょうもない浪人で、そんなんで大学行けんのかと思っていたが、高校最後のテストも0点だった数学を得意科目に変化させ、その後数学を道具として普通に使う工学系へすすみ、博士号までとってしまうことになろうとは、あと時は思わなかった。ビックリするような変化を与えてくれた著者の本は、一応全部読んでおり、まだ書かれているということに、おれもがんばろう、などと意味のない張り切りを感じてしまった。 さて、この本の内容では、同時代の数学者たちのあれころを話しているところが良かった。ぼくは数学者でもなんでもないが、名前が挙がった日本の数学者は全員何かしら教科書を読んだか、別のブルーバックスや読み物を読んだことがあるから。特段憶えようともしなかったのに名前をはっきり憶えているのだから、大学時代もそれなりに興味を持っていた証拠。 今でも書いているのだろうか。さすがに次のエッセイ集というのはむずかしかろうか。 |
