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世間も他人も気にしない

ひろさちや
文春文庫 640
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 ブックスサガ長津田駅

鯉をバケツに入れて火にかけます。鯉はじっと我慢して、ついに茹だってしまいます。だが、鯉を熱湯に入れると、ぴょんと飛び出します。

 新書の帯にある言葉が目についた。これって、「湯で蛙」の話じゃないの? いろんなバリエーションがあるもんだ。蛙も鯉も、実際にそうなのかな? 実験したくわない気分だ。

 ぼくはひろさちやの本が好きである。これまでも何冊か読んだ。その主張はぼくも納得がいくし、部分的には実践もしている。もう70過ぎの爺さんだが、だからといって主張する内容が古いともピントが外れているとも思わない。本はいいな。電車で説教されたはら聞く気分にはならないが、本をかえしての対話ならばぼくは喜んでしたいし、実際買って読んでいる。ということで、内容は買う前にだいたい予想が付く。でも、買ってしまうのだ。好きになるとはそういうものなのだと思う。

 書店で見かけて、迷わず買ってしまった。帰宅途中だった。どうにも疲れていた。自分の力の足りなさに悲しくなっていて、なんでこんな面倒なことをやっているのだろうと疲弊していた。そういうときには、ひろさちやである。ものごとをそれ以上悪く考えることをしなくなる。その場で止まる。では、それで明るく生きるようになるのかといえばそうではない。この本の効用がへんな新興宗教とちがうのは「治す」ということを公言しないところだ。あくまでも、立ち止まって、自分を後方上空から見えるようにしてくれる程度に気分を開放させてくれるだけだ。しかし、それがあるのとないのとでは、大違いなのだ。

 世間虚仮。世間からは逃げるに限る。なるべく実践している。予想以上に問題は発生しない。


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