名作の旅、伝説の旅
世界の名作を読み、その場所へ行ってみる。世界名作の旅という新聞日曜版の記事をまとめ一冊にした本である。 動機は単純なものだ。今ならばテレビ番組でいくらでも見ることができるような企画である。しかし、この本の企画が組まれた時代は1960年台。海外旅行など普通の人が行くには大変だった時代であろう。だから、普通の人には珍しい事柄を森本哲郎の記事をもとに想像する。舞台のだいたいの設定は世界の名差になっているお話である。 なんだ、じゃぁテレビで見たことあるようなところだし、知識も少しあるし、旅行で立ち寄ったことがある。読まなくていいか、と思ってはいけない。森本哲郎が行った時代と比べて、情報という切り口でこの本を評価したら、確かに当時よりも見劣りするかもしれない。しかし、いくらアイドルやアナウンサーや芸能人が名作の場所にいって建物や人の世界を紹介したところで、この森本哲郎の本には遠く及ばないものがある。それが、思索。おそらく誰もマネできない。 名作を読み、その場所に行ってみる。そこで見たもの体験したことをエッセイとしてまとめる。実に単純な企画である。しかし、魅かれる。本当に魅かれる。このエッセイを読んでいると、自分も森本哲郎と同じ視点に立てる気がする。そして、同じように考えるような気がする。ソファーでゆったり座り読んでいると、自分が体験したようなきになるエッセイなのだ。 いつか行って見たい。あるいは、紹介された本を読んで見たい。ぼくも、そんな旅行ができるのではないかと勘違いして、実際やってみるとビックリするくらい、思索なんかする余裕がないことに気付く。よっぱり、この本は読んでいるほうがいいや。 |