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狼少年のパラドクス

内田樹
朝日新聞社
お勧め指数 □□□□■ (4)
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 教育論である。ポイントは『下流思考』に尽くされている。同じ路線で話が進んでいる。何か新しい知識を得たい、という人にとってこの本はもうひとつかもしれない。

 しかし、知識を獲得するだけが本の楽しさではない。本=知識では学校試験のメンタリティー。そんなの無視して、内田樹という面白い人を話を聞こう。そう思えば、読んのが楽しくなる。それだったら、聞いたことがある内容ほうが楽しく読めるではないか。この本は論文でも教科書でもなくブログを再構成して編んだ本なのだから、気軽に楽しべいい。

 そういうわりには教育論ではなく、「大学き残り」に目がいってしまった。著者は大学の先生だ。少子化に対応するための苦労を知る。あまりマスコミには登場しない話であろう。マスコミには派手な改革や勝ち組負け組のラベル付けくらいか上がってこない。だから現在稼働中の大学システムをどう修正していくのか、稼働中のシステム変更という雰囲気が面白いのだ。失敗はできないし。

 親も子供も下流指向、あるいは2極化という状況のなか、教育そのものが大変難しいらしい。それに加えて大学の生き残り。大学教授も大変なんだ。よく考えれば当たり前のことだ。大学が減るから教員が余るという単純な問題。そんなことはわかっていただろう。そう思っていても実際起きないとなんのアクションもとれない。大学教授も人の子ということだ。

 もう増えることが予想されない学生に対してなにをすればよいか。一番確実なのは縮小均衡である。ダウンサイジングともいう。小さくすればいい。ところが普通の大学は巨大化を指向する。なぜだろうか。別のタイプの学生を獲得するといったことをやる。それは危険だろう。

 例えば研究費が増えないとわかったならば、研究費が小額でも面白いことができるように準備するが普通だろう。ぼくはそう思う。だから自分ではそうしている。しかし、周りの人は違う。以前よりも大きなことをやろうとする。大きなことを提案して減額され、それで結果的に現在と同じ。そういう方法のようである。


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