きのうの世界
この本は1年前に出版されるはずだった。出版日を待ち遠しく思っていた。しかし、春にでるはずが夏になり、秋になり、そして未定になってしまった。一体何があったのだろうか。この本にあったような事件が実際起きたのだろうかと、内容を知らないのに勝手に想像していた(な、わけないよなぁ)。 今年の夏になってやっと出版された。ぶ厚い。嫁さんは一気読みだった。その後で読み始めたぼくは、寝る前に一章ずつ読んでいた。わりといい。すっごくいいのかどうかは後半次第である。 さて、この本のジャンルはなにか、と問われると即答できない。話の最後でおかしくなってしまうことはなかった。恩田陸の本の半分弱は最後までテンションがもたないのだろうか、話がうまく着地できてないとぼくは思っている。しかし、今回はちゃんと着地していると思う。もっとも、この分野のディープな本読みはどう思うのかはしらない。 この本は、主人公の視線から物語るという形式ではない。複数の人が登場し、それぞれの視点からの物語が織り込まれている。そういう形式の場合、適当に読んでいると誰が誰だかわかならくなってしまうことがあるが、この本では視点の切り替えについていくことができた。 それにしても、こういうものがよく書けるものだ。作家は偉大だ。なにか下敷きになる話があったのだろうか。幾本もの筋が並走し、交差する。全体を俯瞰すれば、ふーんと言ってしまう。 秋の夜長に読むといいだろうな。虫の音を聞きながら。 |
