お金とモノから解放されるイギリスの知恵
人々が歴史を経て勝ち得た知恵には一目置く必要がある。この本のタイトルを目にして、イギリス好みでもないぼくの手が動いた動機はそこにある。本だなから引っ張り出す行動は半ば無意識であった。 未来への不安は収入の安定性とつながっている。要するに、えさ場の確保は大丈夫かということだ。今あるものがなくなってしまうかもしれない。これが恐怖の源泉である。つまり、お金やモノが無くなってしまう恐怖。 イギリスは世界の頂点にいた時代があった。文化的な面でいえば、頂点の座から追われたとはいえ、今でも世界一流の面がある。人々には賢い人がたくさんいる。 (親との子との人間関係があいまいなまま成長していく)多くの日本の子どもたちは大人になっても親に要求することを止められない。その背景には買い与えてもらうことを当然と思わせてきた安易な親の接し方も原因になっている。それが再び物への執着を生み、次世代に受け継がれてゆく悪循環を作り出しているのだ。 欲望をコントロールすること。これができれば人は相当幸せになれるのだと実はとうの昔に解明されている。少なくとも、仏教はそうだし、それを目指したのが仏教である。 イギリス人は一端上昇しすぎた生活レベルを、満足度を保ちながらいかにして下げることに成功したのだろうか。その工夫は歴史の検証をへたものである。とくに、市民生活に根付いた工夫は、日本人のぼくでもいろいろ参考になるだろう。この本を読んでその一端を垣間見ることができた。 |
