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大人のいない国




鷲田清一+内田樹
プレジデント社
お勧め指数 □□■■■ (2)

購入店 八重洲ブックセンター

 この秋から冬にかけて内田樹の本が何冊も出版されるそうである。人気が急上昇ということで、出せば売れる状態なのだろう。ならば出版社は黙っていない。とにかく出版する、なんでも出版する、短くても出版する。こんな理由でフォントが大きくて行間が広い本が登場するわけである。この本も悲しいことにそうなっている。値段は千円を超えているのに。
 一昔前に斎藤孝の本がブームになったとき、同じ著者の本なのに短期間に品質が劣化していくさまをみた。内田樹の本でもそれを体験するのだろうか。
 よい本が立て続けてだせるわけないのにばかばか出版していると、リピーターだった人が「まだかよ、もうやめろよ」と思うようになる。僕はそうだった。最後には斎藤孝というブランドが逆転し、斎藤孝の名前をみたら「買わないでいい」という行動をとるようになってしまった。今は茂木健一郎がそうなりつつある。そして、内田樹も続くのだろうか。そんな予感を抱かせる本である。
 
 さて感想だけど、ぼくは面白くないという判定。短い対談が一章あって、そのあとは二人の短いエッセイを束ねてあるだけ。テーマが重複するからお互いの考えているところを理解することはできるかもしれないけど、これ、一冊にまとめて読むようなものではない。
 それに、例によって内田樹のエッセイは過去の本を読んでいるかブログを読んでいればわざわざこのコンテキストで読む必要はないだろう。つまり、この本は出版社のための本である。買わなくていいかなと思う。

 出版社がプレジデントだから仕方ないのかもしれないけど、こういう編集されるとこの出版社について「嫌な」印象を持ってしまう。この本はそこそこ売れるかもしれないけど、長くは売れないだろう。そして記憶にも残らない。残るのは嫌な商売するプレジデント社という経験知だけかもしれない。

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