共著だけどの野口悠紀雄の本なので買ってみた。この分野での発言は工学側の注意点とは違ったユーザー側の視点から書かれているので、なるほどなと思うことが多い。
共著ということだが、どの部分をどちらが書いたのか察しがつく。内容は経済とネットの関係、ネットとコンピュータの関係、そして、両者の関係ある。
ここでいうのもなんだが、取り立てて新しいことが書いてあるとか、説得力があるとか、あるいは、新しい視点から技術が語られているということはない。ちょっとがっかりである。
ただし、この本のコンセプトとなる一つの視点は明解であり、感銘した。それは、コンピュータという技術は、あらゆることに適用される基幹技術の性質をもっているため一時的な爆発的流行とは別の流れがあり、その流れは、電気を用いた技術の社会への応用にように見えないところでむしろ進行するというようなことである。それをジェネラル・パーパス・テクノロジーと呼ぶのだそうである。
なるほど。コンピュータ技術の発展は新聞でもテレビでも新商品の広告という形で目にする。しかし、それはコンピュータが与える社会変革の表層でしかなく、どうにもとまらない社会変革の流れは普通の人が見えないところで進行している。
頷くことはできるが、だからといってそれを見る事ができないために少し怖い思いもある。
また、別の面で気になることもある。今の社会でのコンピュータの利用は、信じがたいくらい多くのコンピュータが電源を付けっぱなしで稼働していることが前提になっている。それはいつまで続けられるのだろうかと、少し疑問である。
普通の家庭であるぼくの家にも常時稼働しているコンピュータがあるが、これを全世界でやれるものなんだろうか。エネルギーはそんなに使っていいものなんだろうか。