嫁さんがこの本をとても気に入ったらしく、しつこく勧められたので読んで見た。ぼくはさほど落語に興味をもっているわけではないのだが、八重洲ブックセンターでも入り口近くのお勧めコーナーにしつこく平積みされているところをみるとこの本は売れているのだろう。
立川談春という人を知らない。立川談志ならば知っている。談志の弟子なんだろう。どのくらい上手な人かはしらない。でも、自伝を出すくらいには有名な人なんだろう。
彼は高校を中退して弟子入りしている。今どきそういう人がちゃんと存在しているのがうれしい。サラリーマンのように落語家になったというのではどうも面白くない。人間国宝もでているような芸能の世界は昔ながらの徒弟制度が残っていてもいいような気がする。
落語に道を若いうちに決心するのはすごい。普通は結局なんにも道を見出せないで、学校に行くのだから。自分で道を見出せただけでもなんらかの才能はあるだろう。その事実一つで、その人の自伝ならば読む価値はあると判断してもいいだろう。もっとも、落語家の前には競艇選手になるつもりだったそうだ。単にサラリーマンというなんだかよくわからない職種がいやだっただけかもしれないが。
立川談志に入門してから、二つ目、真打ちになるまでの物語はおもしろい。笑ったり涙したり。どこで勉強したのか知らないが、立川談春という人の文章が上手い。噺家は言葉を操る技術者なのだと思うが、文章も上手のようだ。どの噺家もそうなのかはしらない。
この本は売れたのだろう。気がつくと、落語家の本が新刊で出版されているようだ。落語ブームでもくるのだろうか。